アパート建築における防音工事の事例【セルロースファイバー断熱・グリーングルー施工】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。千葉県で大家業をしております。

 

さて新築アパートを建てるにあたり間取りを考える機会が多いですが、これまで多くの失敗を経験してきました。

 

お客様のクレームで多いのは「間取りの使い勝手が悪い(狭い)」とか「隣人の生活音がうるさい」とかそんなのが大半ですよね。

 

私も土地から新築アパートは5棟建てているので間取りや使い勝手などを考えるのはそこそこ慣れてきたのですが、次のステップとして、いま弊社が一番注力いるのが「防音工事」になります。

 

というわけで今回は私が建築した4棟目のアパートで防音工事がうまく行った事例をご紹介します。掛かった費用も公開していますので、これからアパート建築をされる方は、よかったら参考にしてみてくださいね。

アパートの防音工事を検討したエピソード

ペリカンは賃貸物件をほとんど自主管理しているので入居者さんとお話する機会が多々あるのですが、1棟目の新築アパートで「となりの人のクローゼットを開閉する音がうるさい」と言われたことがあるんですよね。

 

その際の実際の間取りは、以下のイメージです。

 

 

2世帯のアパートなんですが、洋室が界壁をはさんで接しているんですよね。左の世帯の入居者さんがクローゼット(上記間取りのCL)を開閉すると、バタンバタン音がしてうるさいらしいのですよね。

 

たしかに界壁には硬質の発泡ウレタンフォームが断熱材として入っているので、音が反響しやすいのかもしれませんが、このエピソードが私に防音対策を考えるキッカケになりました。

今回実施した防音工事の詳細について

今回、4棟目のアパート間取りも2世帯なのですが、界壁をはさんでLDKが接しています。

 

 

キッチンは食器を洗ったり料理をするので、生活音がとなりの世帯に響くとうるさい可能性が高くなります。そこで、防音工事どうしようかなと思いながら、YouTubeを見ていたら北関東のとある建築士の先生が防音工事について紹介されている動画を発見しました。

 

以下の動画ですね。

 

 

これによると壁の中にグラスウールをパンパンに詰めて、石膏ボードを2枚貼りし、かつ石膏ボードの間にグリーングルーという遮音タイプのボンド剤を塗って防音しているとのことでした。

 

ペリカンの4棟目新築アパートは、前面道路がけっこう交通量が多い道路だったため、もともと断熱材にセルロースファイバーを使う予定でしたが、界壁にセルロースファイバーを使うと石膏ボードを片側3枚貼りにしなければいけないというルールがありました。

 

したがって、今回は以下の3つで防音工事をすることを決定した次第です。

 

防音工事のポイント!
  1. 断熱材をセルロースファイバーにする
  2. 石膏ボードを片側3枚貼りにする
  3. 石膏ボード間にグリーングルーを塗布し接着する

 

上記3つを工務店さんに依頼し、後日施工後に防音テストしてみました。

 

効果はどうだったか?メリット・デメリット解説

 

具体的にどうやって防音テストしたのか?というと、キッチンの上に爆音で音楽を流したスマホを設置。もう一方の世帯から音が聞こえるか試してみました。

 

ちなみにまだ未入居の状態なので家具等もないため、部屋全体に音楽が響く状態でテストしました。

 

その結果、、、、まったく音が聞こえません!界壁に直接耳を当てて音が聞こえるかもチェックしてみましたが、かすかに聞こえるレベルも一切無く、ほぼ無音状態。これには正直びっくりしました!

 

おそらくセルロースファイバーの断熱材が空港の壁に使われるくらいなので、吸音効果が本来すごい高いのに加えて、石膏ボードが片側3枚(合計6枚ほど)貼られており、これがめちゃめちゃ重いので遮音効果があるのでしょう。

 

しかもボード間にグリーングルーを塗っているので遮音効果が一層増している感じでしょうか。

 

私が所有する築古アパートなどはとなりの生活音がすごい聞こえるので、さすがに木造建築で完全に音はカットできないと思い込んでいたのですが、この結果にびっくりしましたね。これなら飼っているペットが吠えてもぜんぜん問題ないでしょう。

 

デメリットとしては、施工費用が20〜25万くらい掛かっているので、コストは高めです。今回は2世帯アパートなので世帯間は1箇所で済みますが、10世帯アパートで同じことをやると9箇所なので200万前後コストアップする計算ですから、利回りは下がりますからね。

 

しかし、ペット対応物件にできたりして、同時に家賃アップも狙えるならトータルで収支が合う可能性もあります。また入居者の満足度が上がって退去が減るようなら、入退去時のリフォーム費用や客付けの広告費も低減できるため、何年かかければ回収できるかもしれません。

 

私のように自主管理していると、入居者どうしの騒音トラブルが減るだけでも、クレームが減ってかなり楽になります。

おわりに:もっと安価に防音工事するために

ちなみに、今回のコスト内訳は断熱材をセルロースファイバーにするのが10万円くらいで、グリーングルーが6万円、石膏ボード追加+手間代が4万円という感じでした。

 

すると断熱材を標準のグラスウールにするとそこは浮くので、グリーングルー+石膏ボード増し貼りで防音工事をすれば、もう少しコストを下げての防音工事ができるかもしれませんね。

 

セルロースファイバー使ったら、そりゃ防音できて当たり前でしょ!と言われそうなので、次回はグラスウールのままにして、グリーングルーとボード増し貼りで試してみようかなと考えております。

 

ちなみにセルロースファイバーは経年すると壁内で沈下が進んでいき防音効果が下がるという意見もあります。その面ではグラスウールのほうが安心でしょう。

 

というわけで、セルロースファイバー+グリーングルーの防音工事はかなり最強に防音工事になったよ!というお話でした。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

以下、関連記事です。

 

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