こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。おもに千葉県で不動産投資をしています。
本日のテーマは、商工中金のアパートローンです。
政府系といえば公庫が有名ですが、商工中金も政府系の金融機関になります。もともと半官半民で設立され、オーダーメイド型の商工ローンを中小企業向けに実行している機関です。
さて、商工中金といえば、2017年に不動産投資の不正融資が発覚し、メディアを騒がせる大きなニュースになりました。
過大なノルマで職員が審査資料の改ざん等をしていたようですが、不正は全100営業店のうち、なんと97店で見つかり計5000件弱もあったようです。
上記のニュースがあったため、現在の不動産投資の融資姿勢は厳格化しているのか?非常に興味深いものがありました。
というわけで今回は、2020年時点の最新の融資基準について徹底的にヒアリングしてきましたのでご紹介します。
商工中金は全国エリア対応【サラリーマンの副業目的はNG】
本店は、東京都中央区八重洲にありますが、支店は全国に100店舗、海外に4店舗あります。
(参考)ウィキペディア「商工組合中央金庫」より
融資残高は9兆円ほどで、かなりの融資金額となっています。
これはメガバンクほどではないものの、地銀では10兆円の横浜銀行、9.8兆円の千葉銀行と肩を並べるくらいの融資をしているということでなかなかの規模だと思います。
利用条件について
以下が、申込者の必要条件です。
2.個人事業主(ただしサラリーマン大家はNG)
法人・個人事業主ともに可能ですが、サラリーマン向けには厳しい金融機関です。
これは商工中金が、もともと中小企業の救済を旨として設立されているためですね。とりわけ、サラリーマンの副業目的の投資には、基本的に厳しいと考えたほうが良いでしょう。
融資エリアについて
全国どこのエリアでも融資可能です。
支店も全国100箇所にあるため、最寄りの店舗に相談するということになります。このあたりは、公庫と同じ仕組みですね。
ただし、東京の投資家が、北海道の物件を買うというのは厳しいとのことです。
対策としては、北海道に法人の支店を登記して、商工中金の札幌支店に相談ということであれば可能だと思われます。
金利・融資期間・評価方法について
金利は2%〜3%で、元金均等返済になります。
融資期間は、法定耐用年数以内になりますが、支店によってコメントが違います。
例えば新築アパートの場合、私の居住する千葉県だと、松戸支店では融資期間は15年と言われましたが、千葉支店だと最大22年までと言われました。
評価方法は、収益還元評価が中心になります。
審査では、相場賃料に対してストレスをかけて、その他の必要な年間経費なども入れて審査となるため、おのずと自己資金が必要になります。
なお、中古の投資用マンションにも融資をしているということでした。
こちらはリフォーム費用も合わせた全体の見積もりから、自己資金を出してもらう形になるそうなので、どちらにしても頭金ゼロでは厳しいです。
リフォーム向けの融資として使えるか?
最後にリフォーム費用単体で使えるかどうかも聞いてみました。
その結果、リフォームでもOKということでした。しかし、リフォームする対象物件には、抵当を付けるということだったので、他の銀行等で融資を受けたアパートなどの場合は、融資はできません。
アパート融資を引いた金融機関が別にあるのであれば、リフォームもその金融機関に相談すべきというスタンスです。
結論:商工中金の審査基準は厳しくなっている
結論、中古アパートの購入に活用するには、ハードルが高い印象でしたね。
新築アパートで自己資金3割入れれば融資可能だと思いますが、金利2〜3%という条件だと、あまりキャッシュフローは出ないでしょう。
金利2%ならCFが狙える可能性がありますが、金利3%くらいになると、CF目的でなければアリでしょう。
昔は、収益還元評価のため、高利回りのRCであれば、金利2%でフルローンが出ていた時代もあったようですが、現在、不動産向けの融資姿勢はかなり渋くなっているようでした。
なお、政府系ということで民業圧迫はしない方針なので、民間の金融機関より低い金利や有利な条件での融資はできないということでした。
というわけで、今回は、商工中金の最新の融資基準でした。みなさんの参考になれば幸いです。
補足:2021年7月の融資基準をヒアリングしてきました。
この度、2021年7月の最新の基準についてヒアリングしてきました。
※ヒアリング先は、商工中金の松戸支店(千葉県)になります。
その結果、要点は以下になります。
- 開口一番で「かなりコンサバな堅い融資をします」と言われた。
- 表面利回り10%以上の案件で、自己資金3〜4割入れるイメージとのこと。
- 融資期間は耐用年数内だが、木造で15年〜20年が現実的になる。※期間22年で融資する例はあまりない。
- 融資対象物件だけでなく、企業体力なども大きな審査対象となる。
企業体力とは、財務状況、自己資本、現預金、今後の所有物件の収支の見通しなど総合的に判断するとのことです。それらが融資可否にかなり大きく影響する印象でした。
つまり、融資対象物件の担保価値や収支評価がOKでも、その会社(または個人)に企業体力がなければ、融資が難しいということになります。
持ち込む物件だけでなく、会社の財務状況・経営状況が大切になるということですね。
以上、みなさんの参考になりましたら幸いです。
以下、関連記事です。
▼法定耐用年数オーバーの融資だと、セゾンファンデックスも一つの手ですね。
▼自営業・個人事業主が使える金融機関をご紹介しています。