地方都市の不動産投資で勝つ方法【マーケティング能力を磨こう】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。地方で大家さん5年目に突入しています。

 

さて以下のようなご質問をいただきました。

※そのエリアで投資している人もいると思うので固有名詞を抜いて、ニュアンスも変えています。

 

XX市(かなり田舎エリア)って、賃貸需給的に厳しくないでしょうか?大手D社がたくさんテラスハウスを乱立している立地です。

 

上記について回答します。

 

なお結論から言うと、アパート・テラスハウスなど共同住宅系ではそこまで競争力がないと思います。ただし、戸建て投資なら勝算があると判断して、私は投資しています。

 

なおXX市は、かなりの地方都市です。

今回は「地方都市の不動産投資で勝つ方法」についてまとめておきます。

結論:マーケティング能力を磨こう

マーケティング

 

地方都市で不動産投資をするなら、マーケティング能力を磨いておかないと厳しいと思います。

 

賃貸経営におけるマーケティングについて、私の考えは3つです。

 

マーケティングの考え方
  1. エリア内でも勝ち組立地と負け組立地がある
  2. 戸建てなら賃貸経営できるエリアがある
  3. 「土地勘があると有利」とは言えない

 

それぞれ解説していきます。

 

1.エリア内にも勝ち組立地と負け組立地がある

供給過剰で賃貸が厳しいと言われてしまったXX市。たしかに人口10万人未満の小さな町です。

 

XX市は南北に15キロ、東西には8キロありけっこう広いです。農業が主体の街になっているくらいです。

 

しかし幸いにも、私の持っている物件は1キロ圏内にスーパー、ホームセンター、コンビニなどがあります。また、国道が近いので隣の人口20万人弱の街まで、車通勤も簡単にできます。

 

一方で、同じXX市でもまわりが田畑しかないエリアで、小中学校も遠くて歩いて通えない場所も多いですね。

 

こういう立地だと物件を買っても苦戦しがち。注意が必要です。

 

もう一つ例を出すと、千葉県で船橋市というと人口も60万人とかなり大きい都市ですが、田んぼが広がる調整区域のエリアもけっこうあるのですよね。

 

つまり、同じ市内でも勝ち組立地と負け組立地があるということですね。

 

市町村のブランド(有名かどうか)は実はあまり、賃貸経営には関係ありません。そのエリア内で、どういった立地で、どういう生活・仕事の利便性があるかを見極めることが大切になってきます。

 

2.戸建てなら賃貸経営ができるエリアがある

マンション・アパート・テラスハウスなどの共同住宅系だとペット可物件は非常に少ないです。

ですから戸建て×ペット可は競争力が非常に出ます。

 

ここで例を一つ出します。

 

ポータルサイトのスモッカでは、建物種別が【マンション・アパート・一戸建て・テラスハウス・タウンハウス】の5種類にわかれていて説明しやすいので取り上げてみます。

 

たとえば千葉で一番賃貸物件が多い船橋市では、以下のような建物カテゴリと各登録件数です。

 

船橋市の賃貸物件
船橋市の賃貸物件

 

これを「ペット可能」で絞り込むと、件数が減ります。

  • マンション2139件→271件(約12%)
  • アパート2696件→217件(約8%)
  • 一戸建て77件→27件(35%
  • テラスハウス71件→17件(24%)

 ※タウンハウスは件数少ないので除外

 

戸建ては3分の1ほどペット可になっていて一番多いですね。

 

5000件近い賃貸物件の中で、ペット可の物件は全体で533件しかなく、そのなかで「戸建て×ペット可」はたったの27件しかありません。この希少性は特筆すべき点ですね。

 

同じように、東京で一番賃貸物件が多い世田谷区で見てみましょう。

 

世田谷区の賃貸物件
世田谷区の賃貸物件

 

 

おなじく「ペット可能」で絞り込むと、件数が減ります。

  • マンション6524件→1223件(約18%)
  • アパート3723件→222件(約6%)
  • 一戸建て505件→187件(37%
  • テラスハウス36件→7件(19%)

 

ここでも圧倒的に戸建て×ペット可物件が多いですが、全体1万件以上の中で、戸建て×ペット可は187件ほどしかありません。

 

賃貸経営の要諦は、物件の希少性をどのように出し(もちろんそのニーズが存在し)、どうやって戦っていくのかという戦略によって、大きく左右されます。

 

今回「XX市はテラスハウスが供給過剰ですが大丈夫ですか?」というご質問でしたが、このように「戸建て×ペット可」という競争力を持って戦っています。

 

結果、年間ほぼ100%稼働で、空いてもすぐに埋まります。もちろん内装も差別化リフォームしています。

 

このように不動産投資は、物件の強みにどうエッジをつくって戦うかが最大のポイントになりますね。

 

3.「土地勘があると有利」とは言えない

結論、不動産投資において土地勘は「元来あるもの」ではなく、後天的に身に着けていくものです。

 

例えば、私は広島市(南区)の生まれなのですが、南区で2LDKだったら家賃いくら取れるのか?と聞かれても、さっぱり見当がつきませんw

 

ファミリー需要が多いのか、単身需要が多いのか、など全くわかりませんね。

 

もう一つ例を出すと、私の大学時代、京都で4年ほど生活しました。ですから、京都市内の繁華街とか利便性の良い立地はなんとなく分かっています。

 

でも、京都市○○区で築10年の1LDKは家賃いくらか?築20年だとどれくらい落ちるか?と聞かれても、全然わかりません。

 

何が言いたいかというと、生まれや育ちとか居住経験の有無と、そのエリアで不動産投資をするのは、まったく別の次元の話なのです。

 

土地勘とは、その程度のものなのです。

 

賃料相場などは、ゼロから仲介会社さんに徹底的にヒアリングしなければ分かりません。土地勘がないから投資できないというのは、マーケティング不足なのですよね。

ビジネスはマーケティングが基本にして最重要です

マーケティングが基本

 

不動産投資にかぎらずですが、ビジネスはマーケティングが基本にして最重要です。

 

たとえば、トヨタが新興国に車を売るなら、ゼロからマーケティングするはず。売れている価格帯、競合、販売店チャネル、広告戦略など、片っ端から調べ尽くすでしょう。

 

その結果、東南アジアだと低価格帯の車が売りやすいとか、欧米ではレクサスが売れるとか、エリアに対して投入する商品は一律ではないはず。

 

賃貸経営においても、まったく同じです。

 

  • このエリアは駅チカのマンションから埋まっていく
  • このエリアは駐車場付きの物件じゃないと決まらない
  • このエリアは生活保護の人が多いから低価格帯勝負

 

上記のように「エリアの傾向」があります。

 

当初のご質問である「このエリアは供給過剰で厳しくないですか?」というご質問ですが、「やり方次第では戦えますね」ということです。

 

需要がゼロじゃないかぎり、如何にその可能性を掴むかです。

 

あまり面白くない結論で恐縮ですが、事実、不動産投資とは、このように歪(ひずみ)を狙って投資するビジネスなので、儲かる隙間があるのであれば投資すべきでしょう。

 

私の知り合いでも、陸の孤島のようなエリアで投資して、アパートを満室経営している大家さんがいます。

 

彼もまた、マーケットの歪(ひずみ)を狙って、投資で成功しているのです。

 

なお、こういうマーケティングセンスは場数で磨くしかありません。ヒアリングや情報収集を繰り返して、自分の頭でも考えること。最後はトライ&エラーで修正していくのみ。

 

私自身もマーケティングスキルが、まだまだ弱いと痛感しています。今後もスキルアップをしつつ、投資を進めていきます。

 

以下、関連記事です。

 

▼供給過剰エリアでの私の投資例について紹介しています

 

▼賃貸需要中エックの具体的な手法を解説しています

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