不動産投資で騙されるのは家賃査定が甘いからです【実例紹介】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。地方でアパート・戸建て投資をして、毎月の家賃収入は約140万円ほどです。

 

不動産投資の世界では、紙一重の差で、儲かる儲からないが変わったりします。とくに投資初心者が一番失敗しがちなのは、エリアの相場賃料を見誤ることです。

 

今回は、家賃査定の大切さに触れつつ、正確に把握するノウハウについて解説してみたいと思います。

不動産投資で騙されるのは家賃査定が甘いからです

 

家賃査定が甘いと、損する可能性が一気に増えます。

 

理由はシンプルで、【手取り金額=家賃収入ー管理費ーローン返済額】なので、家賃収入が減ると手取り額にダイレクトに響いてくるからですね。

 

アパートなど1棟物で初心者が騙されやすいのは、レントロール(家賃明細)が相場賃料より高くなっている物件を買ってしまうことでしょう。

 

かくいう私も、アパートを購入した後にどんどん家賃下落した苦い経験があります。その時の記事は「築古アパート投資のリスク【人口減少社会で生き残る賃貸経営術】」でも紹介しましたね。この時は本当に辛かったです笑

 

結局いくら高利回りで購入しても、本当の物件力を見極めて購入しないと、痛い目を見るということですね。

初心者が相場賃料を把握する方法

「初心者が相場家賃を把握するのは難しい」という意見もありますが、そんなこともありません。

 

たしかに、1000円の狂いもない相場賃料を知ることは不可能です。実際に、募集してみないと成約家賃は分からない面があります。でも、簡単な家賃査定であれば、ちょっとした手間で誰でもできる方法があります。

 

私がやっているポイントとなる手順は3つです。

 

相場賃料を知るステップ
  1. エリアの通勤手段を把握する
  2. ポータルサイトで間取りと上記1の必須条件を入れて検索する
  3. ポータルサイトで2ページまでの賃料を把握する

 

一つ一つ解説します。

 

①エリアの通勤手段を把握する

通勤手段は何なのかを把握する

 

まずはエリアに住む人の通勤手段を把握することからスタートします。

 

とくに大切なのは車社会なのかどうかです。車社会だと「駐車場の有無」がポイントになります。一方、電車など公共交通機関が中心だと、「駅から物件までの距離」が一番大切になってきます。

 

それによってポータルサイトの検索条件が変わるので、まずは通勤手段の分析をしっかり正確にやりましょう。

 

しかし残念ながら、市町村別での細かい通勤手段のデータはあまり存在していません。でも、ネットで検索するとそれに近いデータが出てくることがあります。不安であれば、付近の仲介店2社くらいヒアリングします。

 

たとえば私の投資している群馬県では、ある統計データによると移動手段の7〜8割くらいが自家用車になっています。通勤手段ではありませんが、ほとんどの人は移動に車を使うということです。

 

なおそのエリアが車社会であっても、大学需要が旺盛なエリアだと通学は自転車・バイクになったりしますが、学生専用アパートにして学生だけで埋めるつもりでなければ、駐車場は必要になりますね。

 

したがってまずは社会人をターゲットにして通勤手段を把握するほうが望ましいでしょう。

②ポータルサイトで間取りと上記1の必須条件を入れて検索する

基本はSUUMO・ホームズの2つでチェックします。間取りと上記1の必須条件を入れて絞り込み検索します。

 

まず間取りですが、単身向けならワンルーム、1K・1DK・1LDK・2K・2DKまですべて入れましょう。ファミリー向けなら、1LDK以上はすべてチェックを入れます。基本は、広めに対象を検索したほうが競合性が把握しやすいです。

 

あとは車社会のエリアなら「駐車場有」、電車通勤エリアなら「駅徒歩◯分」などです。

 

この時点で私のNG判断ですが、車社会なのに駐車場ナシとか、電車通勤エリアなのに駅から徒歩15分以上離れているなど、条件的に厳しいようであれば、その物件の購入自体を見送ります。

 

通常、社会人であれば賃貸物件を決める際に、通勤に支障がないかどうかを第一に見ますので、そこにボトルネックがあるとどうしても選ばれにくい物件になります。

③ポータルサイトで「賃料相場」を把握する

私の場合は、ポータルサイトで家賃を安い順で並べ替えて、2ページ目までが相場賃料の目安として考えています。

 

かなり物件をバリューアップすれば3ページ目の賃料でも戦えますが、築古系不動産だとけっこう厳しい戦いになります。逆に、1ページ目に表示されれば、けっこうスンナリお申込みが入るケースが多いですね。

 

なお、単身向けの場合には、検索する時にバス・トイレ別の条件有無を入れましょう。2LDK以上のファミリー物件で3点ユニットはほとんどありませんが、単身向けで3点ユニットはけっこうあり、家賃を下げないと決まらないケースが多いです。

 

上記の簡易査定をするだけで、だいたいの相場家賃は見えてきます。あとは、付近の仲介会社に2〜3社ほど電話してみて、実際の相場を聞いてみると良いでしょう。

 

場所・間取り・駐車場有無など物件スペックを伝えれば、そこそこ経験のある営業マンなら、瞬時にだいたいの相場を教えてくれるはずです。

 

ただし、これも先に自分でポータルサイトで相場をチェックしてから行ってくださいね。相場4万円のエリアなのに「5万円取れると思います!」と威勢のよい営業マンもいるので、先に自分で調べておくことが必要です。

 

そうすれば「でも、3万円前後の物件がかなり多いですよね」と冷静に営業マンにツッコミを入れることをできるので、真の家賃を聞き出しやすくなります。

 

あとこれを繰り返し行なえば、自分の家賃査定と、実際の仲介営業マンの相場観がだんだんズレなくなってきます。そこそこ正確な家賃査定ができるようになった証拠です。

初心者はレントロールマジックを見抜くことに全力を注げ(実例紹介)

 

実例で説明します。

 

先日、私の投資エリアで2000万程度のテナント付きの4世帯アパートを発見しました。

 

スペックはこんな感じ。

 

物件スペックとレントロール
  • 築17年木造アパート
  • 土地90㎡、建物107㎡
  • 市街化区域、駅徒歩8分
  • 1階テナント+1K4世帯
  • 利回り13%
《レントロール》
★1階テナント×60,000円
★1Kは各44,000円で入居

 

利回りもそこそこなので、一瞬良さそうな物件だと思ったのですが、資料を見た瞬間に、私はすぐ違和感を感じました。

 

主に、以下の3つです。

 

  • 1K部分が全部屋同じ家賃
  • 3点ユニットなのに家賃が高い
  • お部屋の広さ(帖数)の記載がない

 

普通は募集時期が違うと、募集家賃も変わってきたりするので4部屋すべて同じ家賃というのが不可解です。またポータルサイトで見ても、相場家賃はどう考えても3万円台でした。ましてや3点ユニットです。

 

お部屋の広さも記載がありませんでした。こんな感じです。

 

 

お部屋の広さを明記しない理由としてよくあるのが「狭小物件」ということです。実際、内見すると狭くてガッカリすることもありますし、満室だと内見できないのでそのまま購入してしまうリスクがありますね。

 

実際この物件は電話でヒアリングすると、4世帯すべて生活保護の方でした。生活保護の方だと、相場賃料より高めに入居が付くことがあります。またお部屋の広さは5帖くらいで、やはり狭小物件でした。

 

つまり、この物件は相場より高めの家賃で埋めて、満室にして売却に出していることが分かりました。

 

もちろん、購入後に退去が出たらまた生活保護を入れるのも一つの手ですが、ターゲットが狭くなると空室期間が長くなる可能性はありますね。

 

基本は、相場賃料に引き直しても期待利回りが出ることが大切です。

 

本物件も相場に引き直して、指値して買付証明を出すのはアリですが、現在満室なのでよっぽど売り急ぎでないかぎり、購入は厳しいだろうと判断できます。

 

相場家賃は、ネットと電話(対仲介店)だけでも、かなり精度高く査定できます。しっかり自分で調べてから冷静に投資判断するようにしましょうね!

 

以下、関連記事です。

 

▼家賃相場を掴むために、仲介店に電話する時の手法を紹介しています。

 

▼自己資金300万円からできるおすすめの不動産投資の方法を解説しています。

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