RC一棟マンション投資は儲かるのか!?【初心者はほぼ挫折します】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。地方でアパート・戸建ての賃貸経営をしています。

 

所有している不動産はすべて木造で、アパート3棟・戸建て8棟という規模の大家です。

(参考)ペリカンの所有不動産一覧

 

最近こんな本を読みました。RCで拡大した投資家さんですね。

 

 

 

数年前に「高速投資法」という、RC造の1棟マンションで拡大していく手法がブームになりました。

 

しかし最近は、RCで拡大した投資家さんの出版本が少なくなっていたので、面白いかなと思ってこの本を買ってみたのですが、”RC投資のリアル”がよく分かりました。

 

今回はRC投資の収益性やメリット・デメリットについて書いてみたいと思います。

初心者がRC投資を目指すとほぼ挫折します【私の経験談】

 

結論からいうと、不動産投資の初心者が最初からRC投資をすると、99%挫折しますね。

 

必要な条件
  • RCに投資してくれる金融機関があること
  • 本業年収が最低1000万(理想は1500万以上)
  • 自己資金1000〜2000万程度
  • 世帯数が多い1棟マンションを高稼働で運営するスキル
  • 低コストでリフォームするノウハウ
  • 大規模修繕の知識(外壁・屋上防水・配管系など)
  • 出口戦略を適切に描けること

 

上記が必要になります。

 

1棟マンションは世帯数が20世帯以上になることもザラなので、全世帯を常に高稼働させるのが一番骨が折れます。

 

また木造より経費率(固定資産税・大規模修繕系など)も高い割に、利回りは低めなので、思ったほど手取りが出ないのですよね。

 

私も2013年〜2014年あたりにRC投資に憧れましたが、余裕で挫折しました(笑)

 

そもそも居住地内で融資してくれる金融機関が無かったですし、自己資金も100万単位だったので銀行から相手にされませんでしたね。

中古RC一棟マンションの利回りはどれくらいなのか?

 

適当に私が数字を出してもぜんぜん説得力がないので、実際の投資例を元に話します。

 

本書に、著者の川添さんが運営する大家の会メンバーの事例ですね。

 

※一部、私の推測値も入っているので目安としてお考えください

 

Hさんのケース(RC2棟・51部屋・借入2億6600万)

1棟目は1億7000万、2棟目は9600万で地元の金融機関から借り入れたそうです。

 

毎月の家賃収入は2棟合計で190万円で、返済・諸経費をひいいて手残りが毎月40〜50万円くらいということでした。

 

ここからは私の試算です。

 

金利2%で25年ローンだと、月の返済が112万ほど。管理費・定期清掃・税金・共用電気など経費率20%くらい(家賃に対して)掛かるとすると、全体で135万円くらいの支出になります。

 

50室あれば空室が1〜2部屋(手取りマイナス8〜10万円)あるとして、手取りは45万円くらいになりますので、上記のコメントと近い数値になりましたね。

 

問題は2億6千万も借金して、毎月手取り45万(年間540万)という点です。キャッシュフロー率2%くらいの水準なので、けっこう薄利と言えるのではないでしょうか。

 

RC1棟あたり大規模修繕で1000万〜2000万は覚悟しておかないといけません。年間540万の利益なら2〜3年分は消えます。2棟を大規模修繕するなら、4〜6年分のキャッシュフローが消えていくでしょう。

 

Iさんのケース(RC3棟+区分3つ・85室・借入4億6000万)

借入が3棟+区分3つで、借入総額は4億6000万円という事例でした。

 

毎月のキャッシュフローが70万円ということなので、年間で840円ほど。キャッシュフロー率は1.8%です。

 

区分マンションが入っているので、純粋なRC投資の利回りではありませんが、CF率は2%前後ということですね。

RCによる高速投資法はなかなかハードルが高い

 

本書の著者の川添さんは、もう少し利回りが良さそうでした。

 

10棟200室にして毎月のキャッシュフローが200万円ということなので、年間CFは2400万円ほど。借入が10億ならCF率は2.4%ほど、借入8億なら3%ほどです。

 

つまり1億借金して、手取りは年間200〜300万というのが地方RCの世界なのです。

 

先ほどの事例のメンバーもまだサラリーマン卒業はしていないようです。さすがに借金が3〜4億も抱えて年間数百万の手取りだと、リタイアは難しいでしょう。

 

けっしてこれはRC投資法をディスっているわけではなく「これがRC投資の現実である」ということです。

 

RC1棟ものでリタイアを目指すなら、5億、10億とどんどん買い進めながら、手取りの実額を増やしていくようなイメージになります。

投資のゴールをどこに置くかで戦略が変わる

このように、RCは多額の借金をして、キャッシュフローを増やしていく投資です。

 

一方で、見方を変えれば、属性と自己資金がそこそこあり、サラリーマンを辞めるつもりがないなら、RC投資は一つの投資手法になりうるということです。

 

これは不動産に限らずですが、投資のゴールをどこに置くのかによって手段が変わりますね。

 

ただし高属性サラリーマンは、ただでさえ年収がそこそこ高いのに、個人でRCを買うと税金地獄になります。おのずと、法人で買っていくことになるでしょう。

 

また繰り返しですが、多世帯の空室対策をしていくスキルが必須で、経費コントロールもそこそこ難易度高いです。

 

物件を間違うと一発退場になりますし、退場にならなくても、そこそこ精神的に苦しい運営が待っています。いずれにしても、初心者向きではないと言えるでしょう。

 

2012年〜2016年くらいの不動産バブルで、RCをスルガで購入し、その後借り換え・売却で成功した投資家はたしかに存在します。

 

でも、それはほんの一部の成功例であり再現性がありません。これは、アベノミクスにより株で儲けたのと同じで、時代が味方したという側面が強いのです。

おわりに:不動産投資は地道で泥臭い商売です

 

不動産投資は、地道でとても泥臭い商売だと私は思っています。たまに2〜3年くらいで毎月キャッシュフロー100万を超えたいです!なんて言う人がいますが、ほとんどの人は無理です。

 

よっぽどの自己資金があれば別ですが、日本の平均的なサラリーマン(年収1000万以下)で、自己資金も数千万とかない人では困難です。

 

でも、数年で月のCF30万、50万くらいを達成したいというのは、やり方を間違えなければ十分可能です。

 

私も1棟目はアパート経営でしたが、その後は戸建て投資を軸に、物件を共同担保にする戦略でサラリーマンをリタイアすることができました。

 

戸建て投資について、詳しく知りたい方は「戸建て投資の始め方【知識ゼロ→毎月30万円の家賃収入を目指そう】」でも詳しく解説しておりますので、ご覧になってみてくださいね。

 

以下、関連記事です。

 

▼家賃収入50万円は最初の目標です。正しい戦略とマインドさえあれば達成可能です。

 

▼「物件より融資が先」というのは不動産投資の定石です。自分に合った金融機関を見つけましょう。

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