戸建て投資でどこまで規模拡大できるのか?【長期シミュレーション】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。アパートと戸建てを現在11棟ほど経営しています。

 

さて、戸建て投資は手堅いけど、規模拡大ができないと思っている人が多いのではないでしょうか?

 

たしかに戸建て投資は、地方エリアだと1棟あたりの収益も月に数万円です。再投資のスピード感もいまいちと言える部類の投資かもしれません。

 

一方で、メリットとしてはロットが1000万円以下で小さく、初心者でも取り組みやすい金額であることです。また戸建ては、賃貸市場では非常に人気があるため、入居者を見つけることはそこまで難しくありません。

 

というわけで、本記事では「どうやって戸建て投資で、規模拡大をしっかりしていくのか?」をテーマに、長期のシミュレーションをしつつ投資戦略を考察します。

戸建て投資でどこまで規模拡大できるのか?【長期シミュレーション】

投資の規模拡大

 

今回は融資を使わず、すべてキャッシュ購入する前提です。また、サラリーマン給与から毎月10万円を投資の種銭として貯金し続けますので、この2つが条件であることを申し添えておきます。

 

なおスタート時の年齢は、40歳とします。

 

最初に、40歳で物件600万円(物件500万円、リフォーム100万円)をキャッシュで購入します。

 

これを月に7万円で貸すと年間84万円の収益になります(表面利回り14%)。得られた家賃収入は、まるまる貯金していきます。

 

貯金ペースですが、この家賃収入で年84万円と、給与から年間120万で、合計で年200万円ほど貯まるようになります。

※ここでは計算を簡略化するため、税金・経費は考慮しません。

 

家賃を貯めていくと、44歳の年初には2棟目の購入ができます。2戸の所有で、毎月14万円+給与から10万円で、年間288万円貯まるようになります。

 

そこからまた家賃を貯めて、次は46歳の3月で3棟目の購入ができます。3戸の所有で、毎月21万円+給与から10万円で、年間372万円貯まるようになります。

 

以後、給与から毎月10万貯金をしつつ、家賃も再投資していくと、以下のシミュレーションになります。

 

年齢所有戸数月額家賃年間家賃
49歳5戸35万円420万円
50歳6戸42万円504万円
51歳7戸49万円588万円
52歳9戸63万円756万円
57歳19戸133万円1596万円
58歳22戸158万円1896万円
60歳26戸186万円2232万円

 

このペースで増やすと60歳の年初時点で、26戸の戸建てを所有し、毎月186万円の家賃(年間2232万円)の大家さんになることができます。すべて現金購入なので無借金経営です。

 

戸建ては1軒あたりの収益はさほど大きくありませんが、まさに塵も積もれば山となる投資と言えますね。

 

このように書くと、40歳のときに購入した戸建てが60歳までもつのか?とか、大規模修繕費用はどこから捻出するのか?といった問題が出てきますよね。

 

それについては、売却して新しい物件を購入して新陳代謝させるしかありません。そこで得られる売却益(キャピタルゲイン)を大規模修繕に宛てていく、というのが現実的でしょう。

 

一番ご理解いただきたいのは、不動産投資の複利効果ですね。

 

最初は2年に1回購入するのがやっとですが、途中から毎年1棟購入できるようになり、最後は毎年3棟購入できるようになります。

 

つまり後半になればなるほど、資産が資産をどんどん生んでくれる状態になっていくのです。

 

ここであなたが意識すべきは、利回り13〜15%程度を確保して、600万円くらいの戸建てを買い続けて、家賃収入には手を付けず、すべて再投資することだけです。

戸建ての注意点は3つ!【融資・リフォーム・拡大スピード】

戸建て投資の注意点

 

ここまで夢のある話が中心でしたが、最後に戸建て投資の注意点をお伝えしておきます。

 

主に、以下の3つです。

 

  1. 融資が付きにくい
  2. リフォーム費用が掛かる
  3. 拡大スピードが遅い

 

それぞれ簡単に触れておきます。

 

1.融資が付きにくい

戸建て投資は”ゼロイチの投資”と呼ばれますね。入居がいなければ家賃はゼロ、入っていれば入居率100%ということです。

 

この状態は、お金を貸す金融機関にとっては、とてもリスクが高い投資(事業)のように見えるでしょう。

 

しかも法定耐用年数を超えた融資は厳しくなってきているため、手元キャッシュをある程度投入しながら購入していくのが現実的になりつつあります。

 

戸建て投資に使える金融機関については、過去の記事「戸建て投資をスタートするための金融機関【融資を攻略せよ】」でもご紹介していますので、参考にしてください。

 

2.リフォーム費用が掛かる

ワンルーム・1Kなど単身系だと、15〜25㎡くらいの床面積のリフォームで、築古でも家賃が3〜4万円は取れます。

 

一方、戸建ての場合は、3LDK〜5LDKくらいになりますので、床面積にすると70〜100㎡くらいあります。

 

つまり、単身系の5倍くらいの面積あるのに、地方エリアだと家賃はせいぜい7万円〜8万円ですから、リフォームのコストパフォーマンスは悪くなっています。

 

築古戸建てのリフォームが、DIYと相性が良いのは、このためですね。コストを如何に削減して、利回りを高くするかが、最大のポイントになります。

 

もちろん、DIYせずとも、賃貸経営は可能です。

 

例えば、部材はオーナー側で安く仕入れて施主支給したり、安い職人さんを探すこともできますね。くらしのマーケットなど、便利なサイトも増えてきました。

 

大家たるもの、世の中のサービスを取捨選択して、コスト削減していく努力は必要になります。

 

3.拡大スピードが遅い

投資スピード

 

先ほどの事例は、20年間のシミュレーションでした。もっと早くサラリーマンリタイアしたいという人は、融資を利用して、1棟アパートも混ぜながら再投資していくのが良いでしょう。

 

結局、スピードを求めるなら、バレッジに収斂するということですね。融資を使う以外に方法はありません。

 

最初は戸建て投資をしてみたかっただけでも、経験を積む中で、1棟物も手掛けてみたくなる投資家は多いです。でも、そこは車でいうと、アクセルとブレーキの使い分けですね。

 

もっとスピード感を出したい場合はアクセルを踏めば良いですし、もう少しゆったりした気持ちで投資と向き合いたいなら、ブレーキを踏みこみ、安全運転にシフトすれば良いのです。

 

投資拡大スピードが遅いのは、ある意味、堅実経営だとも言えます。逆に、拡大スピードが早いと、目的地に早く到達できる可能性がありますが、途中で事故に遭うリスクもあります。

 

つまり、投資家それぞれ、心地よいと感じるスピードで物件を買えばOKなのです。

 

自分の気持ちよくドライブできるスピード感で、事業を拡大していけばよいのだと思います。

 

以下、関連記事です。

 

▼戸建てを共同担保にして規模拡大をスピーディーに進める方法です。

 

▼戸建て投資の事例です。相続案件は指値がとおりやすい物件の代表ですね。

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