ホールドか売却か?新築アパートの出口戦略を考える

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。千葉県で8年ほどアパート経営をしています。

 

ペリカンはこれまで中古アパート・中古戸建てを中心に投資してきましたが、2022年あたりから方針転換して、新築アパートに触手を伸ばすようになりました。現在、新築アパートは3棟目を建築中です。

 

そんな中出てくる疑問として、「新築アパートってずっとホールドが正解か?それとも途中で売却したほうがいいのか?」というものがありますね。

 

けっきょく利益面が大きなポイントではありますが、一度冷静に考えておきたいテーマですよね。というわけで今回は、私が建築している新築アパート(ガレージハウス)で考えてみたいと思います。

不動産投資の本質=インカムゲイン+キャピタルゲイン

 

大前提として、不動産投資の利益=インカムゲイン+キャピタルゲインということですね。この本質を忘れてしまうと、インカムだけを重視したり、売却益ばかりに囚われたり、バランスを欠くことになります。

 

ここでは具体例として、現在ペリカンが建築している新築アパート(ガレージハウス)を例に出します。

 

新築アパートは、以下のスペックです。

 

  • 土地:1000万円
  • 建物:2400万円(1LDK*2世帯のガレージハウス)
  • 地盤改良・外構その他:300万円

【総工費:3700万円】

 

自己資金700万円を投入し、融資は3000万円(金利1.8%・期間22年)とすると、毎月のローン返済は14万円です。

 

家賃の推移として、新築〜築5年までは1世帯家賃14万円とします。6年目〜10年目までは家賃が5%落ちて133000円、10年目以降は家賃が10%落ちて126,000円まで下がっていくシミュレーションとしましょう。

 

10年後に売るパターン

よく言われるのは「大規模修繕前の築10年くらいで売れ!」というものですね。

 

これをざっくりの計算になりますが減価償却費・運営経費など差し引くと、だいたい新築時で年120万円の税引前キャッシュフローになります。6年目以降は100万円のキャッシュフローとなり、10年目以降はキャッシュフローが85万円までだんだん下がっていきますね。

 

すると10年間で得られるインカムは1100万円(120万×5年+100万×5年)です。税金など引かれると、手残りは800万円くらいでしょうか。

 

次に10年後のキャピタルゲインですが、例えば利回り8%で売却すると以下の計算になります。

 

年間家賃(126,000×2世帯×12ヶ月)÷利回り8%=3780万円

 

10年後の残債は1771万円になっていますので、売却益としては2000万円ほど。税金など引かれて、手残りはざっくり1200万円くらいでしょうか。

 

10年間で、インカムで800万+キャピタルで1200万で、10年間の利益合計は2000万円がざっくりとした結果です。

 

ローン完済まで持ち続けるパターン

つづいて築22年のローン完済まで持ち続けるパターンを考えてみましょう。10年目までのインカムの手残りは800万でした。

 

11年目以降は年間85万円しかキャッシュフローを稼げません。また11年目以降は、大規模修繕と設備の入れ替えを1度入れないと、ローン完済の築22年まで戦っていけないでしょう。これを約200万円と見積もっておきます。

 

11年目〜22年目までの12年間のインカムは1020万円とします。税金が引かれて700万で、そこから上記の修繕費200万を引くと、手残りは500万円ということになります。最初の10年の800万と合わせて、合計で1300万の手残りです。

 

あとはキャピタルゲインですが、家賃126000円×2世帯の築22年のアパートですから、利回り12%で売却することにしましょう。すると売却額は2520万円となり、ローンは完済しているので、手残りとしては2000万とします。

 

以上よりローン完済までホールドすると、インカム1300万+キャピタル2000万で、22年間の利益合計は3300万となります。

 

あとがき:10年で売却が王道なのか?

 

上記はちょっとした変数で数字が変わってしまう側面があるので、ざっくりした分析であることは申し添えておきます。

 

その上で俯瞰してみると、10年間で2000万円稼ぐのと、22年間で3300万稼ぐのでは、10年間で利確したほうが効率が良いようにも思えてしまいますね。

 

しかし22年目以降はローン残債が無いというのが大きなポイントでもあり、そこからはスーバーキャッシュフロー(返済のない家賃収入)ということになりますから、もう数年稼いでから売却しても良いでしょう。

 

逆に言えば、ローン完済してしまうと、スーパーキャッシュフローが欲しくなりそうですから、すぐの売却はもったいなく感じそうですね(笑)

 

ペリカンの場合、新築アパートに期間20〜22年で組んでいるので、築15年位になったら単純計算で借金も当初の1/4近くになっていると思うので、その時点で繰上返済してスーパーキャッシュフローを早めに享受するという戦略もアリだなと考えています。

 

金利動向によっては、繰上返済は有意義な選択肢になるでしょう。金利が上がるようなら、その前に完済してしまうのも一つの手ですよね。

 

あとは「家賃下落しにくいアパート」、これを建てることが大切なポイントになりますね。

 

家賃が下がらなければ、キャピタルゲインがその分大きくなるからです。そうすると家賃下落するギリギリまで粘って、大きな下落の兆候が出てきたら、処分するのがもっとも合理的だと言えるでしょう。

 

ただ、このあたりは投資家さん個々の考えや目標設定でも、変わってきそうですね。

 

私の個人的な意見としては、自分が楽しいと思える方を選ぶのが最善だと思います。不動産投資は長期でやるものであり、自分なりの目標に沿って進めていけばいいのですから。数字的に儲かるルートが、必ずしも正解だとはかぎりませんからね。

 

以下、関連記事です。

 

▼新築アパートを購入するのに共同担保が役立った私のエピソードです。

 

▼プロパー融資が出るようになると金利1%台での取り組みが可能です。

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