こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
アパートと戸建ての賃貸オーナーをしています。
所有世帯数は28世帯ほどです。
大家さんにとって、大きなリスクの一つに「入居者の孤独死」があります。
孤独死対策について、以下のツイートをしました。
これからは高齢化&単身世帯増になるので、孤独死対策が必須になってきそうです。
考えられる3つの対策
✅少額短期保険(アイアル・あそしあ等)
✅火災保険の特約付帯
✅家賃保証会社の損失補償防止または発見を早めるには「見守りサービス」なども候補に入ってくるかもしれません。
— ペリカン@不動産投資ブロガー (@Pelican0825) April 16, 2020
考えられる3つの対策
◆少額短期保険(アイアル・あそしあ等)
◆火災保険の特約付帯
◆家賃保証会社の損失補償
防止または発見を早めるには「見守りサービス」なども候補に入ってくるかもしれません。
東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、なんと年間3,127人もいるそうです。※参考:内閣府データより
今回は、そんなリスクを避けるための「孤独死保険」について、ご紹介します。
孤独死は男性が8割、女性が2割の確率で発生する
孤独死のほとんどは男性が多いです。実際のデータで見てみましょう。
男性が81%、女性が18%ですので、ほとんどが男性ということですね。
なお特筆すべきは、死亡時の平均年齢でしょう。
ですから「うちのアパートは若い人が多いから、孤独死リスクはない」と考えるのは、ちょっと考えが甘いかもしれません。
とりわけ単身向けアパートを持つすべての大家さんは、入居者の年齢にかかわらず、孤独死リスクを認識しておいて損はないでしょう。
少額短期保険会社の孤独死保険について
近年、少額短期保険会社による孤独死保険の取り扱いが急増しています。
少額短期保険というコトバ自体、あまり我々には馴染みがありませんが、多くの会社がありますね。
ざっと挙げると以下のとおり。
- アイアル少額短期保険株式会社
- アクア少額短期保険株式会社
- あすか少額短期保険株式会社
- 株式会社あそしあ少額短期保険
- eーNet少額短期保険株式会社
- エイ・ワン少額短期保険株式会社
- SBIいきいき少額短期保険株式会社
- SBI日本少額短期保険株式会社
- 株式会社FIS
- ジック少額短期保険株式会社
- ジャパン少額短期保険株式会社
- セキスイハイム不動産少額短期保険株式会社
- 全管協少額短期保険株式会社
- 東京海上ウエスト少額短期保険株式会社
- 東京海上ミレア少額短期保険株式会社
- 日本共済株式会社
- 少額短期保険ハウスガード株式会社
- レキオス少額短期保険株式会社
とりわけ以下の2つは孤独死保険として有名です。
ここにご紹介しておきます。
- アイアル少額短期保険「無縁社会のお守り」
- あそしあ少額短期保険「大家の味方」
内容を簡単に触れておきます。
アイアル少額短期保険「無縁社会のお守り」
1戸あたり月々300円という料金で、孤独死保険に加入することができます。
補償内容は以下のとおり。
(出典:アイアル少額短期保険「無縁社会のお守り」より)
まとめると、原状回復費の補償が100万円まで、事故後の空室値下げの補償が200万円(最大12ヶ月分の家賃)まで、支払対象にならない場合の見舞金5万円、という3点セットになっています。
なお個室内での死亡事故はすべてカバーされますので、孤独死・自殺・犯罪死など、すべて対象になります。
ポイントは全戸加入だということですね。このアパートは単身向けだから加入しておこう、という部分的な使い方ができないのが、若干の使いづらさを感じます。
たとえば、私の場合は28世帯くらいですので、28世帯×300円で、月々8400円かかります、年間にすると、10万800円です。
年間約10万円ということは、5年加入すると50万円。10年加入すると100万円になりますから、保険をかけておくのが良いのか、積立して貯金で対応するのが良いのか、の天秤になってきそうですね。
火災保険なら、毎年のように天災がある可能性があるでしょう。いわずもがな契約必須と言えます。
しかし、孤独死ともなると保険で対応すべきなのか、自費で対応すべきなのか、大家さんの考え方・価値観にもよると思われます。
あそしあ少額短期保険「大家の味方」
あそしあ少額短期保険の「大家の味方」という商品があります。
内容は以下のとおりです。
(出典:あそしあ少額短期保険の「家賃補償保険」より)
簡単に言うと、原状回復には300万円まで、臨時費用として犯罪被害は50万円・犯罪以外は20万円、という内容になっていますね。
家賃損失は最大6ヶ月間まで補償してくれるようです。
火災保険にも「家主費用特約」があるので要チェック!
最近では、火災保険の特約にも孤独死による損失をカバーしてくれるものがあります。
主要3社の内容をざっと解説しておきます
損保ジャパン
賃貸住宅において死亡事故に伴う家賃の損失や、その戸室を賃借可能な状態にするための費用、火葬や遺品整理等にかかる費用を補償します。
まず家賃収入については、死亡事故発生戸室や、隣接戸室に空室・値引き期間が発生した場合、最大で12ヶ月間の補償をしてくれます。
また死亡時の原状回復費用または事故対応費用(遺品整理・見舞金・火葬費用など)として、1回の事故につき100万円が限度となります。
東京海上日動火災
東京海上日動火災の「トータルアシスト住まいの保険」のオプションサービスとして、孤独死の補償があります。
オプション名は、「家主費用補償特約」と「家賃収入補償特約」の2つですね。
まず家賃の損失については、最大12ヶ月間となっています。そして、原状回復費用・遺品整理等費用は、1回の事故につき100万円を限度に補償してくれます。
三井住友海上
三井住友海上の「GKすまいの保険」において、賃貸オーナー向けの特約(家主費用特約)が用意されています。
空室期間または値引期間は、賃貸借契約の終了から12か月間を限度となっています。
また死亡事故対応費用保険金として、改装・消毒などの原状回復、遺品整理・葬祭費用が補償されます。こちらも、1回の事故につき100万円が限度として補償されます。
家賃保証会社の孤独死補償について
最近では、家賃保証会社が、居室内での死亡事故に対する補償をしてくれる時代になりました。
例えば、エルズサポートでは原状回復費を最大100万円、家賃損失を最大12ヶ月カバーしてくれます。こちらは、2020年から新たな補償内容としてリリースしています。
またCasaの「家主ダイレクト」という商品では、孤独死保険が自動付帯されるようになっています。こちらも、近年増えつつある孤独死への対応でしょう。
自主管理大家さんも、こうした孤独死保険が付帯されている家賃保証会社を活用するのも、一つの手と言えるのではないでしょうか。
おわりに:高齢化社会における大家のリスクヘッジ
ペリカン個人としては、孤独死保険は現在のところ、未加入です。理由としては、発生確率と保険料の問題があるからですね。
今のところは、世帯数を増やし全体でリスクヘッジしたり、預金を増やしておくほうが、合理的だと判断しています。
しかし、今後はアパート系だけでも、「火災保険の家賃収入特約」に加入しておけば、一定の安心感があると考えています。
またファミリー物件をポートフォリオの中心に据えておくことも有効となるでしょう。ファミリー世帯は、孤独死のリスクはかなり小さいと思います。
現段階においては、まずは「事後の損失を最小限にする」という発想のほうが、現実的と言えるかもしれませんね。
以下、関連記事です。
▼孤独死物件のあった戸建てをリフォームした購入記です。
▼台風によるリスクと火災保険の活用について解説しています。