こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
不動産投資家たるもの、一度は利回りの虜(俗に言う「利回り星人」)になったことがあるかもしれません。利回り30%達成!利回り50%達成!・・・なんとも憧れの数字ですよね。
わたしも一時期、「利回りが高ければ投資は成功する」「収益性こそ正義だ!」と信じて疑わない時期がありました。もちろん今でも、収益性を完全無視して物件を買うことなど、ありえません。
というわけで、今回は「利回りとキャッシュフローの重要性とその落とし穴。売却益で規模拡大を狙う方法」をお送りします。
本記事が、みなさんの投資方針を決める上で、新たな気づきやヒントをもたらすきっかけになればいいなと思います。
「利回りとキャッシュフロー」の重要性とその落とし穴
不動産投資の初期段階では、利回りとキャッシュフローをとことん追求するのが王道です。
利回りとキャッシュフローの重要性
よくあるステップは、以下のとおり。
- まずは利回りの高い物件を購入する。
- 満室経営して、手残りキャッシュフローを増やす。
- キャッシュフローが貯まったら、また次の物件を買う。
上記の繰り返しで、規模が大きくなるというのが基本的な考え方ですね。まさにキャッシュフロー重視型といえるでしょう。
ペリカン自身も、5年くらい前にこの「キャッシュフロー」という概念を教わったのは、紺野健太郎さんの書籍でした。
不動産投資で人生を変える! 最速でお金持ちになる絶対法則---資産ゼロでも毎月100万円を稼ぐ仕組み
持たざるものが逆転するためには、CFをとにかく叩き出して、一気にサラリーマンリタイアを目指す。そして、ある程度CFが潤沢になったら、資産組み替えして安定経営すれば良い、という考えは、当時の私にはめちゃめちゃ腹落ちしました。
上記の紺野さんの書籍は、掲載している金融機関の融資基準などは時代遅れになりつつあるものもありますが、基本的な投資のエッセンスは時代を超えて有用です。
まだ読まてない方は、是非ともご一読されてみてくださいね。
その結果、最近だと現金で買えるボロ戸建て投資などに、人気が集中していますね。
100万円以下で買えるようなボロ戸建てや、調整区域にある築40年以上のような戸建ては、それなりにリスクもあります。そのあたりは、以下の記事でも詳しく解説しています。
利回り星人の落とし穴とは!?
ボロ戸建て投資では、利回りをガンガン追求していくスタイルが流行っています。
最低でも利回り15%〜20%、築40年超のボロとかなら、それ以上の利回りを目指すイメージですね。
私がはじめて購入した戸建ても、まさにそんな感じでした。当時、築27年で購入して、リフォーム費含めて利回り17%ほどに仕上がりました。
よく言われるのが、「利回り17%だと、6年で元本回収して、その後からやっと黒字化ですね。」という皮肉です(笑)
実際この物件では、突発的な修繕や固定資産税など経費を入れると、回収には7〜8年かかります。以前、「利回り17%の築古戸建ては何年で元本回収できるのか?【実例解説】」で、リアルに計算していますので、ご興味ある方はどうぞ。
これが屋根外壁の大規模メンテなんか入れると、回収期間はもっと伸びます。おそらく10年くらいかかるのではないでしょうか。
つまり、教訓は以下ですね。
ですから、持ち続けてキャッシュフローを得続けるというは、一つの理想だと思うのですが、口でいうほど簡単ではありません。
所有期間が長くなればなるほど、常にトラブルや修繕対応に追われることがあります。とくに利回りを追い求め過ぎると、築がどんどん古くなりがちです。
そういった物件を表層リフォームだけで貸すと、配管系の水漏れ、雨漏り、シロアリ、設備故障などトラブルが頻発して、かなり利益を削られることがあります。
利回りというのは仕入れ値を下げて、リフォーム費を極限まで削れば、上がって当たり前なのですよね。
最近は物件をDIYで、表層だけお化粧して「瞬間利回り」だけ、やたら高い投資家さんが増えていますが、大切なのは「生涯リターン」です。
10年20年先も資産価値を維持して運営できるよう、最初にお金をかけて修繕しておくと、運営がラクになります。
結果、トラブル減って、入居者満足度も上がる。
— ペリカン@不動産投資ブロガー (@Pelican0825) October 16, 2020
最初にしっかり直して貸しておけば、入居者の満足度は飛躍的に上がります。結果、長く住んでもらえるので、オーナー・入居者ともにWin-Winなのですよね。
利回り星人になって、修繕をケチれば利回りは高くなりますが、あとあと苦労が絶えない物件になることがありますので注意しましょうね。
キャピタルゲインで拡大スピードを劇的に上げよ!
物件を売却するメリットについて、先日ツイートしました。
最近だとボロを直して、高利回りで貸す手法が流行りました。これはCFが増えるメリットがある一方で、手間と時間がすごく掛かる。
その場合、数年回して売却益を得るほうが効率UPしますね。売却により自己資本比率が上がり、借金は減り、キレイな決算書ができるので、次の融資が引きやすくなります。
— ペリカン@不動産投資ブロガー (@Pelican0825) November 23, 2020
上記のとおりです。
不動産投資をスタートする場合、減価償却がある最初の数年くらいは利益が残りますが、5年目以降から経費が無くなって、税金が重くのしかかってきます。
いわゆる、デッドクロスです。
これを回避するには、経費が無くなった物件を売却して、新たな資産に組み替えるのが王道になります。
この時、売れない物件ばかり持っていると、うまく売却益が出せないので、次の投資に行くのが遅くなります。そして、インカムゲインだけで回収するには時間がかかりすぎるのは、さきほどの説明のとおりです。
フルローンが狙いにくくなった昨今だと、頭金を2〜3割入れなければいけないケースが目立ちます。だからこそ、売却して、投入した頭金を一度取り返しながら、拡大していく方が時代背景に合っていますね。
そんなことを考えながら先日、私もアパート1棟売却しました。
(参考)【アパート売却】地方エリアでも購入価格より30%高く売れたワケ
初期段階はキャッシュフローを重視しつつ、その後はうまく物件を入れ替えしていくことで、資産はどんどん拡大していきます。
そして短期での拡大を狙うのであれば、「売却益を出せる物件」を仕込んでおくのも大切ですね。売却をまぜて、現金を回復させ、より大きな物件を買っていく。このサイクルが、規模拡大には不可欠です。
売れない立地の物件ばかりコレクションすると、売却益が出ず、拡大スピードも遅くなるので注意しましょう。
以下、関連記事です。
▼売却益と法人活用について詳しく解説しています。
▼都会で投資するのか?田舎で投資するのか?私の持論です。