【はじめての1棟アパート投資】5年間の収支と出口戦略について

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。千葉で大家さんをしています。

 

さて、私が初めて1棟目のアパートを購入してから5年目を迎えました。

 

賃貸経営は丸5年経つと、売却したときに長期譲渡となり、売却益にかかる税率も39%→20%へと一気に安くなります。

 

「長期譲渡」のタイミングを迎えるということは、賃貸事業者としては一つの節目を迎えられたのかなと考えています。

 

そこで、今回は5年間の歩みを振り返りつつ、学びと今後の戦略について綴ってみたいと思います。

はじめてのアパート投資は悪戦苦闘の日々だった

悪戦苦闘

 

現在は脱サラしましたが、6年前は私も会社員生活でした。毎月100時間近い残業もしていたので、一日も早くこの生活を抜け出したい気持ちでいっぱいでしたね。

 

そんな折、私の不動産投資の最初の思い出はというと、融資がぜんぜん付かなかったことですね。笑

 

まずは融資が難航。。。

無事、購入したいアパートが見つかり、金額も1000万以下で手頃な価格帯でした。

 

木造の築23年で法定耐用年数超えでしたが、1棟目としてはもってこいのロットだと思いました。

 

しかし、まず目の前に立ちはだかったのは「融資の壁」です。

 

最初に打診したのは次の3行ですね。

 

  • 日本政策金融公庫
  • 地銀A
  • 県の信用組合

 

さっそく相談したのは日本政策金融公庫です。石原さんの「まずはアパート1棟、買いなさい!」の本を読んで、「年収があまり高くない人は公庫が良い」と書いてあったからですね。

 

 

しかし、実際公庫に電話したら「アパートローンは、後付け融資のみです」と言われて、ものすごい衝撃を受けました。。。これが私の不動産投資のスタートで、とても苦々しい経験でしたね、

 

後付け融資とは、先に自己資金(キャッシュ)で全額購入して所有権移転した後に、金融機関が融資金額を振り込み、抵当権をつける形です。

 

当時は年収400万円くらいで、貯金が1000万もあるはずありません。

 

現在は、公庫もフル活用していますが、長野の支店はお堅いイメージで、残念ながら不動産向け融資には積極的ではありませんでした。

(参考)サラリーマン大家のための公庫の最新融資基準

 

続いて、地銀Aに行きましたが、こちらは法定耐用年数オーバーはNGで門前払いでした。

 

次に、けんしん(県の信用組合)に行き、担当者も融資に乗り気でした。副支店長さんだったので、かなり手応えアリだったのですが、最終的にここも法定耐用年数超えを理由に、本店の審査部でNGとなってしまいました。

 

1000万以下のアパートなのに、ここまで融資に難航するのかと、当時はけっこう落胆しましたね。

 

しかし最後にダメ元で地銀Bを訪問しました。地銀Bは、私が働いている会社のメインバンクでもあったので、もしかしたらと思ったからですね。

 

面談当日は緊張しましたが、その場で「たぶん大丈夫だと思います。一応、審査は必要ですが。」と言われて、拍子抜けしました。2014年の11月くらいのことでした。

 

やっと融資が通り、晴れて私のアパート経営がスタートした瞬間でした。

 

運営中のトラブル

このアパートは1LDKと2DKの混合でしたが、ほとんど単身者ばかり住んでいました。

 

これまでに経験した運営中のトラブルは以下のとおり。

 

  • ゴミ問題
  • 水道管破裂
  • 入居者トラブル

 

ゴミ問題は、駐車場にゴミや私物をためる入居者がいました。張り紙をして、だんだん少なくなっていきました。

 

水道管破裂は、寒冷地あるあるですね。冬に水道管が破裂しまして、1階の一室が水浸しになりましたが、こちらも火災保険でカバーされたので難なく乗り切ることができました。

 

一番キツかったのは、入居者トラブルです。

 

ある日、空室にお申し込みが入って喜んでいたのですが、実はこの人「精神疾患」のある女性で、後日近隣とトラブルになりました。

 

夜中にわめき散らしたり、騒音もないのに隣の部屋に「うるさいから静かにしろ!」と言って、最終的には警察沙汰にまで発展しましたね。

 

この入居者さんは40代で若いのに生活保護を受けており、最終的には役所の判断で、退去となりました。給湯器を壊されたり、クリーニング代や広告料が掛かったので、けっこう大きな損失でした。

 

こうした問題も多かった築古アパートでしたが、では一体5年間でどれくらいの収支だったのでしょうか?

 

次に解説します。

5年間のアパート投資の収支実績

所有アパート

 

改めて、アパートのスペックは次のとおりです。

 

  • 物件所在地:長野県郊外
  • 購入価格:800万円
  • 間取り:1LDK×2世帯、2DK×2世帯
  • 利回り:約19%
  • 金融機関:長野県内の地銀(金利2.75%・期間20年)
  • 融資金額:905万円(本体+諸費+リフォーム費)

 

家賃収入が月13万円で、返済が49,000円(返済比率37%)です。

 

毎月だいたい約8万円のキャッシュフローが出ています。融資期間が20年引けたのが大きかったですね。

 

5年間の物件収支とキャッシュフロー

2014年12月に購入しました。今年で5年目で現在満室です。

 

このまま年末まで満室が続いた際のトータル収支は以下のとおり。

 

【5年間の収入】

  • 家賃収入 748万円
  • 入居者から原状回復費 20万円

   収入合計:768万円

【5年の支出】

  • 管理費 37万円
  • 入退去リフォーム費/修繕など 40万円
  • 広告料 18万円
  • 固定資産税 23万円(年4.6万×5年)
  • ローン返済 294万円

   支出合計:412万円

 

内訳は、こんな感じです。

 

収入768万円ー支出412万円で、ざっくり356万円が5年の合計キャッシュフローになります。1年あたり70万円ちょっとの手取りなので、実質利回りは8.7%くらいですね。

 

5年間で残債は905万→728万円となりましたので、177万円ほど残債が減っています。元金返済も収入だと考えると、実質利回りは13%超まで改善しますね。

 

上記の収益性をどのように考えるかですが、オーバーローンで手出しゼロということを考えれば、そんなに悪くないかなという感じですね。

 

やはり満室時の利回りが19%というのが、わりと効いていますね。

 

満室運営&黒字化を心がける

ちなみにこのアパートは、汲み取りトイレなので一般的にかなり敬遠される仕様です。

 

また前面も2.5m幅の私道接道(再建築は可)なので、運転が不慣れな人は車の出入りが難しいです。おまけに、街の人口もたった4万人しかいません。

 

でも、これだけ悪条件が重なっているアパートでも「満室運営&黒字」をキープすれば、そこそこの利益は残るということですね。

 

この物件が基準となって、その後も物件を買ってきたので、今でも利回りはあまり妥協しないようにしています。

 

どんなに立地が良かったり、築浅でも利回りが一桁台の投資はしてきませんでしたし、私の投資フェーズではそういった投資をすべきではないと考えていました。当時はとにかく高利回り絶対主義でしたね。

いつ売るか?築古アパートの出口戦略について

売却益

 

そろそろ売却を考えているのですが、それは以下の理由ですね。

 

  • 5年が経過し、来年から長期譲渡税となる
  • 大規模修繕がそろそろ必要
  • 遠隔管理をしている(千葉→長野)

 

一番大きいのは、3つ目ですね。

 

今は満室なので良いのですが、遠隔地がゆえにやはり管理面の不安があります。

 

管理会社ともガッチリやっていますし、リフォーム業者ともコネができていますが、やはり大きなトラブルが起こったときにすぐに現地に行くことができません(車で片道4時間以上かかります)。

 

また外壁などの躯体や設備面の経年劣化も「目視できない」のは、メンテナンスタイミングが取りづらいですね。遅れたことで、大きな修繕が発生する可能性もあります。

 

高利回りなので、騙し騙し運営するのもナシではありませんが、5年間で物件価格の7割くらい回収できたので、一つの役目を終えたとも考えています。

 

でも、なんせ田舎なので、売れるかどうかも分かりません(笑)。したがって、売却に出しつつ、運営し続けることも考えておかないといけませんね。

 

【2022年追記】

こちらのアパートですが無事に売却完了しました!詳しくは「【アパート売却】地方エリアでも購入価格より30%高く売れたワケ」をご覧くださいませ。

 

以下、関連記事です。

 

▼賃貸経営でサラリーマン卒業するための考え方を解説しています。

 

▼私の戦略は戸建てとアパートのハイブリッド経営で拡大することです。

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