家賃相場を制するものは不動産投資を制す

不動産投資は、同じエリアで物件を購入する場合は、家賃相場についての理解が深いです。

 

たとえば、、、「◯◯市で戸建賃貸だと、だいたい6万円くらいは取れる。閑散期なら5万円後半くらいで出さないと問い合わせが無いけど、繁忙期なら5%アップして63,000円くらいでも反響はある」というように、時期による違いも含めて、肌感覚で認識できています。

 

したがってドミナント戦略で不動産投資をするメリットは、家賃設定が狂わないことでしょう。客付け会社も同じ会社に依頼できれば強みになりますね。

 

一方、初めて投資するエリアだと簡単ではありません。実際に投資してみないと掴めないエリアの特性だったり、癖というものがあったりします。

 

そういう意味では、ベテランの投資家さんでも、はじめてのエリアで正確に家賃相場を完璧に把握することは容易ではありません。

家賃相場を正確に把握できれば不動産投資で成功できる

私も、はじめてのエリアで物件購入するときには、家賃相場の分析に一番気を使います。では、なぜそこまで私が家賃相場を大切にするかというと、収益性が大きく変わってしまうからです。

 

例えば、600万円の戸建てを購入して、家賃が7万円ほど取れる想定の場合、表面利回りは14%。地方で土地値のある物件であれば、悪くない利回りです。

 

しかしながら、ぜんぜん内見さえ入らず、家賃が最終的に6万円になったとすると利回りは12%に落ちます。ですから、利回りが想定から大きくズレる要因は「家賃設定」なのですよね。

 

私たちは、物件は「購入価格で利回りが決まる」と言われます。これは正しいのですが、一側面だけを捉えた言い方です。なぜなら購入価格は、自分でコントロールできるからです。

 

自分の欲しい基準に達しなければ買わない判断をすれば良いだけですし、一度購入した価格は、当たり前ですが変えられません。

 

一方で、家賃設定というのは自分でコントロールできず、いくらで貸せるかはマーケットが決めます。

 

とりわけ立地、駅からの距離、間取りが大きいですが、あとはリフォームの質、募集条件、時期などです。これらの要素で20〜30%くらいは平気で変動してしまいます。

 

自分の狙った利回りをきっちり達成するためには、物件を安い価格で買うだけではなく、まずは家賃相場を見誤らないことが大切になってきます。

 

だからこそ私は、家賃相場を制するものは不動産投資を制すと考えています。

 

家賃相場を判断する方法として、ペリカンが実施しているのは次の2点です。

 

  1. ポータルサイトを見て分析する
  2. 不動産会社に直接ヒアリングする

 

それぞれ詳しく解説してみたいと思います。

ポータルサイトを見て分析する

今回は「築古の戸建賃貸」という想定で、考えてみます。

 

まずポータルサイトでの分析ですが、私はSUUMOとホームズの最低2つは見ます。SUUMOは業界No.1なので、すでに賃貸ポータルのスタンダードになっています。

 

ホームズを見るのは、掲載順位のロジックがSUUMOとちょっと違うことと、たまにホームズにしか掲載されていない物件もあるからですね。

 

まず戸建賃貸の相場は、築古・新築それぞれ見ておきます。また競合は戸建てだけとは限らないので、新築アパートの相場と、築古アパートの同じ間取りの相場をチェックします。

 

特に、戸建賃貸の数が少ないと、賃料が飛び飛びで出てきたります。

 

たとえば、一番安い戸建てが45,000円(築44年)で、次に出てくるのか55,000円(築35年)、その次は65,000円(築26年)、70,000円(築29年)、90,000円(築7年)、105,000円(新築)などと続いたりします。

 

地方×戸建賃貸の相場分析の難しさは、掲載数の少なさです。

 

供給が少ないので、バッティングする競合が少ないのが戸建て投資の良さですが、賃料相場を的確に判断するためのサンプルが少ないと、結局は「いくら取れるのか?」が判断つきにくいですよね。

 

しかも掲載されている物件は、売れ残っている物件なので、余計に判断が難しくなります。

 

一番の問題は、アパート・マンション・戸建て・テラスハウスなど、物件種別にこだわらず比較して選ぶお客様です。

 

ですから、戸建てと近い間取り(3LDK〜4LDK)の、マンション・アパートの賃料水準もチェックしておかなければいけません。

 

マンション・アパートは築年数で大きく家賃設定が変わってくるので、新築と築古の両方の共同住宅をチェックします。

 

例えばファミリー向けマンション・アパートで新築が5万〜6万円台、築古が3〜4万円台だと、マーケットとしてはあまり人気のないエリアと言えるでしょう。戸建ても5万円台〜6万円くらいが限界となるでしょう。

 

もし新築のファミリー向けマンション・アパートが7万円〜9万円くらい取れており、築古でも最安値ラインが4万円〜5万円台であれば、かなり需給はバランスしています。こういったエリアなら、戸建ても7万円〜8万円前後は狙えるでしょう。

 

つまりたとえ戸建て賃貸であっても、新築マンションの賃料より大幅に高い家賃を取ることは難しいというのが私の一つの仮説になっています。

 

新築の賃貸マンションが6万円のエリアで、築古のボロ戸建てを8万円、9万円で貸すのは現実的ではありません(よっぽどオンリーワンな差別化があれば別ですが)。

 

次に不動産会社へヒアリングします。ヒアリングは電話でも十分可能です。

 

ここは順序を逆にしないように気をつけましょう。まずは自分なりにマーケットを分析してから、相場観をざっと掴み、その上で不動産会社に質問すると、良いヒアリングに繋がると思います。

不動産会社に直接ヒアリングする 

不動産会社にヒアリングする時は、もちろん営業の方にヒアリングしてください。事務のお姉さんや、管理部の人にヒアリングしても意味がありません。

 

また営業の方でも、新人っぽい人だとNGです。できるだけ経験のある人と話しましょう。

 

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電話の場合は、私は次のような感じで電話します。

 

賃貸業やっているオーナーの◯◯と申します。今度、◯◯市の物件を購入検討しているのですが、客付けや管理が可能なエリアでしょうか?(→だいたい可能ですと言われます)それでしたら、営業の責任者の方に募集のご相談をしたいのですが、今いらっしゃいますか?

 

このように話を持っていけば、だいたい営業マネージャーまたは、ある程度ベテランの営業マンを電話口に出してくれます。※不在なら折返し、電話をもらいます

 

伝えなければいけないのは、次のような要素です。

 

ヒアリングポイント
  • 物件の所在地(住所・駅徒歩〜分など)
  • 築年数
  • 間取り
  • 居室の広さ(平米数で)
  • 駐車可能台数
  • リフォームの内容

 

これだけ伝えれば、なんとなくイメージは伝わるはずです

 

あとは過去の、戸建て賃貸の成約価格、ファミリー系マンションの成約価格(新築・築古)などをヒアリングしていきます。

 

質問の仕方ですが、、、

  • 3ヶ月以内に決まるとしたらどれくらいの賃料でしょうか?
  • どれくらいの賃料だと案内しやすいですか?
  • 現実的に考えて実際のところ◯万円だとどうでしょうか?

など、、、、、同じような質問を違う角度から投げると、本音を教えてくれるケースがあります。

 

よくあるケースとして、若いガツガツした営業マンだと「家賃10万円で決まったことがあります!オーナー様の物件もそれくらいで決められるようがんばります!」など、気持ちと勢いだけで話してくれるアツい営業さん(笑)もいますが、如何に本音(現実的な賃料や成約実績)を聞けるかが勝負になります。

 

慣れてきて余裕があれば、エリアとして人気がどうなのか、問い合わせが普段からあるエリアなのか、この地域で働いている人の通勤圏はどういう場所なのか、空室期間はどれくらいあるエリアなのか、などより具体的な質問ができればベターですね。

 

ただし、仲介店の営業さんも忙しいので、3分〜5分くらいで電話は終えられるようポイントを事前にまとめておくことは大切です。

 

あまり長電話にならないよう、相手の時間も尊重してあげましょう。

 

私の場合は、最低3社くらいは電話します。1社だけだと、やはり家賃相場がブレますので、複数社にヒアリングしましょう。

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終わりに

募集スタートして、お申込みが入らないまま1ヶ月、1ヶ月半とだんだん時間が過ぎていくと焦ってしまうものですが、家賃設定とリフォームが適正で、物件が魅力的であれば、必ず内見は入るはずです。

 

賃料が相場より割高にしているわけでもないのに、まったく内見も入らないということであれば、仲介店の数と質をもう一度疑ったほうが良いでしょう。

 

客付け力の低い不動産会社に依頼していたり、物件情報がそのエリアの仲介店に広く知られていないと、反響が取れないことがあります。

 

また高い賃料で決まれば嬉しいですが、あまり欲をかくと空室が長引くこともあります。1000円、2000円の調整で反響が出ることもあります。

 

マーケット動向をよく見ながら、条件変更も柔軟に考えていきましょう。

 

以下、関連記事です。

 

 ▼空室対策の方法はいろいろなやり方があります。代表的なキーワードについて、私なりの見解をまとめています。

 

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