こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
アパート3棟、戸建て8棟を所有しており「共同担保」を活用しながら投資拡大してきました。
さて不動産投資の世界では、「積算評価が出る物件を購入して、継続的に融資を引ける状態をキープしましょう」ということが言われます。
このスローガンは100%正しいと思いますし、実際にこの手法で大きな物件を買い増して、メガ大家さんになった人もいます。
でもこの手法は、融資がフルローン・オーバーローンで出ていた2017年初頭くらいまでは有効でしたが、現在は自己資金の豊富な人以外は、厳しくなりました。
本日、その点について下記のツイートをしました。
これまで積算評価の出るRCや重鉄の物件を買って、信用毀損せず再投資する方法があります。しかし、融資が閉まってきた現在、頭金ゼロで貸してくれるほど甘くありません。1億借りて、頭金1割+諸費用だけでも2千万弱必要ですからね。この投資法で投資スタートできる人はかなり限定されると思います。
— ペリカン@不動産投資ブロガー (@Pelican0825) 2018年10月7日
このツイートの通りです。
融資が出なくなった今、少ない自己資金で大きなRC物件をどんどん買っていくことは、ほぼ100%無理筋になりつつあります。
では、自己資金の少ない投資家はどうすれば良いかというと、小さな物件をキャッシュで買って、それを担保に1棟物のアパート・マンションにシフトしていく方法が良いと考えています。
本記事では、効率的に規模拡大していくための「共同担保のつくり方」ついて私の投資事例もまじえて解説します。
共同担保がなぜ有効なのか?
結論から言うと、銀行は完全に「担保主義」です。このことを、まず頭に叩き込みましょう。
担保評価が低ければ、どんなに収益性が高くても、融資NGとなることもよくあるということですね。
融資ジャブジャブ時代は終わりました
現在の融資情勢だと、自己資金を2〜3割求められるケースがザラです。賃貸業の実績がある人でも、フルローンは厳しくなりつつあります。
スルガ銀行のかぼちゃの馬車事件をきっかけとして、融資が焦げつくのをリスクヘッジしたい意識が一気に高まったので、これはしょうがありませんね。
融資がまたジャブジャブの時代が来ることは、もうあまり期待できないでしょう。
現在でも、フルローンの融資付き物件を売っている業者はいますが、だいたいダメ物件です。見た目の積算評価だけ出る、低利回りの地方RC・重鉄系が多いですね。
足りない担保評価を埋める
ここ数年の不動産投資ブームは、RC投資で投資総額10億とか、逆に100万円のボロ物件を再生して超高利回りとか、投資法が両極端になっている印象です。
そういう投資家の成功本が、ネタとして面白いのは分かりますが、初心者はどちらも真似できません。
あまり夢のない話になって恐縮ですが、結局は、、、
これが一番確実な手法だと私は考えています。小さく始めて、大きく育てる、これが王道であり安全ですね!
ではどんな物件が共同担保に最適なのか?次に説明していきます。
共同担保はどんな物件が良いか?
共同担保は、どんな物件でもOKなワケではありません。あまり評価の低い物件を買っても、まったく担保にならないことがあるので注意しましょう!
以下、具体的な物件で説明します。
区分マンション・テラスハウスはNG
まず区分マンションやテラスハウスを共同担保目的で買うのは、あまりおすすめしません。
こうした物件は土地付きでないことであったり、再建築できない問題などで、金融機関の評価はかなり低くなります。
つまり、共同担保として適しません。
あとは超ど田舎の戸建ても土地評価が出ないので、担保としては弱いです。単体で利回りだけ追求するならOKですが、担保にならないと次の投資には繋がりません。
もちろん「数年回して売却」を繰り返して、売却益を積み上げることはできますが、ロットが小さいだけに、さほどインパクトは出ません。
好立地の戸建てが最適
一番のおすすめは「好立地の戸建て」です。
路線価のしっかりある道路に接道している「戸建て」は、金融機関が評価しやすい物件の一つです。戸建ては実需マーケットも大きいので、再販価格も査定しやすいのだと思います。
特に、人口が10万人以上の市町村で、市街化区域の戸建てが最適です。価格帯としては400〜700万程度だとロットも小さくて、キャッシュ投入が少なくて済みます。
自己資金が500万くらいあるのであれば、こういう戸建てを公庫で半額くらい無担保で融資してもらって購入できればベストでしょう。
自己資金がもっと少なければ、初期は全額融資で買って、どこかのタイミングで貯金とストックした家賃収入で一括返済し、「無傷の物件」をつくる手もありますね。
これは私の中での結論になりつつあります。
戸建ては、所有期間中の入退去も少なく、ストレスのない賃貸経営ができるのもメリットですね。
三井住友トラストを活用した投資事例
ペリカンは、ノンバンクの三井住友トラストを軸に投資を組み立てています。
詳しい融資条件は「【不動産投資】三井住友トラストL&Fのアパートローン活用方法 」でもご紹介しているので御覧ください。
ここでは私のトラスト活用事例を2つご紹介します。
こちらは私が2016年4月に購入した、群馬県のアパートです。
▶参考:禁断のカードローンを活用した築古アパート投資【利回り13.7%】
こちらのアパートは融資条件として以下の2つの戸建てを共同担保にしました。
- 1棟目の戸建て(購入価格275万)
- 2棟目の戸建て(購入価格560万)
本当は、1棟目の戸建てだけでフルローンが出るかなと思ったのですが、北関東のアパートは掛目がキツくなるみたいで、担保不足でした。したがって2棟目の戸建ても担保提供して、合計2つ入れることで無事フルローン承認を頂きました。
学びとして、三井住友トラストL&Fは1都3県の物件は評価が出やすいが、北関東(群馬・栃木・茨城)など田舎エリアのアパートだと、掛目が厳しくなるということです。
2020年以降は、北関東の地方アパートにノンバンクで融資を引くことは、非常に難しくなっているのでその点も踏まえて投資エリアを考えていかなければいけません。基本は、1都3県で戦略を組むのがおすすめです。
つづいて、上記は私が2017年4月に購入した、千葉県某市のアパートです。
▶参考:再建築不可の築浅アパートを三井住友トラストの融資でGETした話
こちらのアパートは融資条件として以下の戸建てを共同担保にしました。
- 3棟目戸建て(購入価格350万)
こちらのアパートは旗竿地で接道が悪かったのですが、それなりのブランド立地だったので、どこまで融資が伸びるか注目しました。結果、共同担保1つ入れましたが、キャッシュは2割ほど求められました。
学びとして、三井住友トラストは接道が悪いアパートだと評価が厳しく、かつ共同担保も田舎の戸建てだとフルローンは厳しいということです。
しかし三井住友トラストは、接道が悪い立地、再建築不可、建ぺい率・容積率オーバーでも、融資対象にしているので、貴重な金融機関だと思います。
共同担保物件は売却できない?
結論から言ってしまうと、内入れ(現金で繰上返済)すれば可能です。
特に、三井住友トラストの場合は、共同担保物件を売りたいと思ったら、その時点でいくら内入れすれば共同担保を外せるのか、すぐに教えてくれます。
基本的に、金融機関は担保保全さえできれば良いので、残債が減ったり、繰り上げ返済すれば、共同担保から外せます。
「共同担保=人質」のような悪いイメージを持ってしまいがちですが、キャッシュフローが増えれば繰上返済して、共同担保から外してもらえば良いと考えれば気がラクです。
ただし注意点としては共同担保に入れた物件は、すぐに売却できなくなりますからその点は十分に理解しておきましょう。
購入するアパート自体もいつでも買ったときと同じような価格で売れる(もしくは借り換えできる)ものだけに投資することが最大のリスクヘッジになりますね。
結論:融資利用はタイムマシーン
キャッシュ購入は安全な手法です。無借金でやりたい人には良いでしょう。ただしスピード感は出てきません。10〜20年のスパンを要します。
融資は「時間を買うこと」と同義です。
毎年300万円貯金しても、3000万円のアパートを買うのは10年後になります。それを今すぐに買えるのが銀行融資であり、これはタイムマシーンで未来に行くようなものです。
人生において一番貴重なものは「時間資産」なのです。過ぎ去った時間は、絶対に戻ってきません。健康は尊いものであり、老いは思ったより早くやってきます。
ですから、できるだけ融資利用でレバレッジをかけ時間資産を最大化すべし!なのです。そのために、共同担保づくりがまずはポイントになります。
そして最後に注意点を一つだけ。
自己資金の少ない人は、超高利回り投資(民泊・シェアハウス・海外不動産)などに宝の山を夢見る人がたまにいます。
しかしこれらは、レッドオーシャンだったり、長期安定稼働が難しいケースがほとんどで、失敗している人も本当に多いです。手を出すなら、相当勉強してからにしてくださいね。
今回は以上です。「共同担保」をうまく活用して、堅実かつスピーディーな不動産投資を実践しましょう!
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