公庫を活用した不動産投資と新設法人への融資基準を解説!

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

日本政策金融公庫(以下、公庫と呼ぶ)は、100%日本政府が全額出資する金融機関です。名だたるメガ大家さんたちも、投資の初期段階で、公庫を活用した人も多いのではないでしょうか。

 

ペリカン家でも、これまで私名義が5回、妻名義で1回の、合計で6回もお世話になっております。

 

年収の低い会社員、自営業者や主婦など、属性がそこまで良くなくても融資してくれることから、これから賃貸業を始めたい人には、うってつけの金融機関と言えます。築古物件にも15年〜20年・固定金利で1〜2%と、好条件でした。

 

しかしながら、2017年〜2018年頃から、公庫の融資基準のハードルが一気に上がりました。

 

その結果、築古の耐用年数超えの物件だと、返済期間は10年前後まで、というのが2022年現在では一つの目安になっています。

 

以前から取り引きがあり、確定申告を2期終えていれば15年前後でも検討してくれますが、はじめて取引する人で賃貸業の実績がない人には、おおむね上記の基準に近いものになるでしょう。

 

アベノミクスが始まった2013年〜2017年時代あたりに、不動産バブルが到来しました。

 

その後、スルガの不正融資、レオパレスの違法建築などの不祥事が相次いだことで、金融庁が不動産向け融資に警鐘をならしたのが、一つの展開点でした。その結果、政府系の金融機関である公庫融資にも、モロに影響が出てしまっている状態になります。

 

というわけで本記事では「現在の公庫の融資基準、新設法人への融資」について徹底的に解説し、今後の不動産投資戦略について考えてみたいと思います。

公庫の融資基準とは?融資審査のポイントについて

公庫の融資基準

 

公庫のHP内に掲載されている「基本理念」には以下のように書かれています。

 

公庫の基本理念
国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。

 

基本は、民業圧迫につながるような融資はしません。つまり都銀・地銀・信金など他の金融機関で借り入れている融資を、公庫で借り換えする、というような融資はしてくれません。

 

私が公庫にヒアリングした結果、融資審査において重視されているポイントは以下の2点です。

 

  • 購入物件で収支が回るかどうか(収益性)
  • 自己資金の有無

 

上記のとおりですね。

以下、それぞれ簡単に触れておきます。

 

購入物件の収支が回るかどうか

耐用年数超えのアパートや戸建てにも、融資付けを検討してくれます。しかし、繰り返しになりますが融資期間が10年前後ということなので、それを前提に考えると、キャッシュフローが出る投資は難しいでしょう。

 

新築アパートにも融資期間は概ね15年〜20年程度がMAXとなるでしょう。25年〜30年など耐用年数を超過した融資は絶対にしません。

 

融資期間が短縮されるということは、返済が早く終わるメリットはありますね。土地値物件を購入して、10年間を稼働率高く経営できれば、出口においてキャピタルゲインを取ることは可能になります。

 

融資審査の一番のポイントは、返済期間が10年でも返済比率が上がりすぎず、収支が回るかどうかです。

 

返済比率が高くなりすぎないためには、以下2つのどちらかの条件を満たす必要があります。

 

  • 収益性(利回り)が高い物件であること
  • 自己資金を多く入れること

 

上記どちらかを満たしていれば、おのずと返済比率は落ちるはずです。それにより返済が余裕をもってできるシミュレーションになることが一番のポイントになってきます。

 

自己資金の有無

自己資金

 

公庫の審査においては、自己資金の有無が、かなり審査で重要視されるようになっています。

 

300万円の物件なら100万は自己資金、500万円の物件なら150万円は自己資金など、手元現金を温存しておくことが必要になります。最低でも、購入物件に対して2〜3割程度の自己資金があるかどうかは見られるでしょう。

 

なお、公庫には無担保融資枠が1000万円程度と言われていますが、これは抵当権を付けない無担保融資を一物件に対してできるという意味ではありませんので注意したいところですね。

 

私の担当支店でヒアリングした時にも「500万円以上など、ある程度大きな借り入れであれば、担保提供(不動産への抵当権設定)は必須になることが多いです」とおっしゃっていました。

 

ですから、無担保融資を狙う人は、自己資金を2〜3割程度はしっかり投入、収支がまわるシミュレーションをプレゼンすることで、無担保ローンを勝ち取ることは可能でしょう。

 

物件を無担保で購入できれば、次の物件を買う時に共同担保として差し入れることができます。

 

私も、公庫で無担保ローンをしてもらった物件を共同担保に、三井住友トラストL&Fで築古アパートを購入しました。

(参考)1棟アパートの融資なら三井住友トラストを活用せよ【フルローン可】

 

そのためには、預貯金をしっかりしておき、まずは公庫の無担保融資で物件を買うという流れが、ものすごく重要なのですよね。

新設法人への融資基準とは?

新設法人への融資(不動産投資)

次に、公庫を活用した「新設法人への融資基準」についてです。

 

まず新設法人への融資審査の中では、すでに個人で不動産賃貸業を営んでいる場合は、個人を関連会社として評価対象とします。

 

法人の実績がない状態なので、個人の実績を見るということですね。そして新設法人への融資審査では、おもに以下の3つがポイントになってきます。

 

  • 物件の担保評価(土地値・収益性)
  • 自己資金
  • 個人所有物件の経営状況

 

これから法人を活用して、公庫を活用する戦略を検討している人は、自己資金を投入して所有期間中のキャッシュフローを出せることをアピールすることが第一となるでしょう。

 

そして、短期返済でも経営が成り立つハンドリングをしつつ、共同担保を増やしていくような戦略がいいのではないでしょうか。返済が進んだ段階で、適宜、売却してキャピタルゲインを得て、また自己資金を厚くしていく作戦ですね。

 

共同担保が増えて、自己資金も貯まっていけば、次は鉄骨造やRCなどより大型の物件購入に進んだり、新築アパートにチャンレジしたりなど選択肢が広がっていきます。

 

というわけで、融資が厳しくなった日本政策金融公庫ですが、うまく活用しつつ、コツコツ規模拡大を狙っていきたいですね。

 

以下、関連記事です。

 

▼公庫の無担保融資は、商工会経由で申請すると審査がスムーズです。私も外壁塗装費用でお世話になりました。

 

▼最初は家賃収入1000万円を一つの目標にすると良いですね。具体的なステップを解説しています。

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