不動産投資の出口戦略のために家賃は高くすべきか?

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。アパート3棟、戸建ては8棟の所有しております。

 

最近カフェ相談でも「売却価格やタイミングはどのように考えていますか?」と聞かれることが多々あります。このご質問は、すでに投資をスタートされていらっしゃる方に多いですね。

 

ということで、今回は、出口戦略に対する私の考え方を述べてみたいと思います。

 

なお私の所有物件は個人名義での購入がけっこう多いです。ですから、譲渡税が安くなるタイミング(長期譲渡税の5年保有)というのが、一つの売却タイミングになります。

 

ただしキャッシュフローをもう少し積み上げたい場合は、粘ってホールドすることになります。

 

現金化しても同じレベルの物件が買えないとか、修繕の心配が当面ない場合は、高めに出して放置する選択肢もありますね。このあたりは投資家の考え次第ということです。

出口戦略のために家賃は高くすべきか?

よく言われるのは、「家賃を落とすと、売却価格が下がってしまう」ということですね。

 

実需に対して売却できる戸建てや区分マンションと異なり、1棟アパートや1棟マンションの場合、売り先は投資家に限定されます。

 

相手がプロの投資家である以上、売却する際には「投資利回り」というが最大のポイントになってきます。もし家賃収入を下げたら、利回りが下がるので、売却価格もおのずと下がりってしまいますね。

 

例えば、私の1棟目の小型アパート(4世帯)は、1戸あたり平均33,000円で賃貸していて、毎月132,000円の家賃収入でした。

 

このアパートの購入価格は800万円で購入しました。利回りはだいたい19.8%ということになります。

 

おそらく売却時には、利回りは15%くらいに引き直して売ると思います。その場合、利回り15%で売却すると、売却価格は1056万円になります。

 

もし各世帯の家賃が2000円下がってしまうと、同じく利回り15%で引き直すと、売却価格は992万円まで落ちます。

 

売却価格が1056万円と992万円では、単純計算で64万円も下がったということです。

 

それだったら家賃を落とさずに、客付けが1ヶ月や2ヶ月かかったり、AD(広告料)を払って高めの家賃で入ってもらったほうが良いというのが、一般的によくある論調ですね。

 

しかしペリカンは、売却価格を上げるために、家賃を高めに設定するという考え方はあまり持っていません。

 

その理由は次の3点です。

 

  • 家賃が高いと短期入居になるケースがある
  • 売却価格は売り主が決めるものである
  • ホールドして家賃収入をもらい続けるのも戦略

 

以下、それぞれ解説します。

家賃が高いと、短期入居になるケースがある

賃貸マーケットには、適正家賃(相場)というものがあります。価値に対して割高な物件は、だんだん選ばれなくなっていくでしょう。

 

また入居者は、そのエリアにずっと住み続ける方でも、より良い条件の近くのアパートに引っ越しするケースもけっこうあります。

 

より良い条件とは、間取り・設備・周辺環境・家賃などですね。

 

実際私のアパートでも、ありがたいことに同じエリア内で引っ越してきてくださったケースが過去に何回かあります。

 

そういった人たちは、SUUMOやホームズをたまにチェックして、より良いお部屋を常に探しているんですよね。

 

もし家賃を高く設定したことで、入居者が負担に感じてしまい退去が増えると、次のような費用が掛かります。

  • リフォーム費(家賃2〜3ヶ月分)
  • 空室期間2ヶ月
  • 広告料2ヶ月

 

家賃3万円のお部屋でもこれだけで20万円くらいのロスになるということです。しかも空室は大家にとって大きなストレスです。

 

こういう費用が積み重なると、家賃を高く設定して売却価格を上げても、トータルではトントンになるというのが私の考えです。

 

高い家賃で長く住んでもらえる人は神様ですが、そういう人は全体の中のごく一部です。

 

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売却価格は売り主が決めるものである

先ほどの私のアパートの例に戻ります。

 

価格800万円のアパートで、利回り15%で1056万円で売れる場合に、各世帯の家賃を2000円落とすと売却価格は992万円に下がるということでした。

 

では各世帯2000円ほど家賃を落としたにも関わらず、同じ1056万円で売りたい場合は、利回りが下がります。単純計算で14.09%にまで下がります。

 

これだと収益物件としての魅力は多少落ちますが、逆に言えば、その利回り(14.09%)でも買いたい人がでてくるのを待つ、というのも一つの戦略です。

 

もう少し色を付けて、利回り14.5%なら投資物件として買っても良いと思う人が出てくるかもしれません。利回り14.5%にするためには、1020万円ですから、36万円くらいの減額で済みます。

 

そもそも「売却価格」は、売り主が決めるものです。

 

また売却は、売買仲介してくれる会社の営業力なども影響してきます。したがって、この数十万円くらいの差は、誤差に過ぎないともいえます。

 

ちょっとした要因で、売却価格は大きく変わります。

 

家賃を高くして、退去の度の原状回復コストや精神的ストレスを常に感じるくらいなら、家賃を落として早めに入居を決めてしまい、その人にできるだけ長く住んでもらうというのも悪くない。そのように私は考えています。

 

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ホールドして家賃収入をもらい続けるのも戦略

不動産は売れなければホールドし続けて、キャッシュフローを享受するのも手です。

 

家賃収入が毎月入ってくれば、それによって現金増加&ローン残債減少が進みますから、満室であればホールド前提でも問題ないはずです。

 

結局は物件を買うときに、割高に買わない、返済比率を低くする、借入金利を高くしない、返済期間を長くし過ぎない(トータルバランスの中で単体ならOK)、頭金を入れながら買う、現金で買う物件を混ぜる。

 

こういったことが大切になってきます。

 

気をつけなければいけないのは、空室率がどんどん上がっていくこと。これだけは絶対に避けなければいけません。

 

アパートの空室率が90%→85%→80%と年を追うごとに上がると、CFもだんだん出なくなりますし、所有している意味がありません。空室率が高い物件は売るときにも安く買い叩かれる傾向にあります。

 

結局は、出口戦略は入口戦略でもあります。購入価格がなによりポイントです。そして購入後は、何がなんでも満室を維持しつづける覚悟。これが大切だということでしょう。

 

満室なら持ち続けて、インカムで回収してしまえば、売却価格が多少下がっても怖くありません。ただしホールドすると、次の大規模修繕のタイミングがやって来ます。

 

こういった時間軸での必要経費は心得ておきたいところですね。

 

投資初期には、賃貸業は利回り基準を安易に下げないで、ホールドし続けても十分利益が出る物件を買うのが王道です。

 

売却は絶対ではなく、一つのオプションに過ぎません。

 

キャピタルゲインはあくまでも”おまけ”であって、基本はインカムゲインでガンガン回収できる状態。これが、不動産投資の基本にして王道だということですね。

 

▼築古戸建てなら朽ちるまで貸すのも戦略です。

 

▼失敗を避けるために3つのポイントを紹介しています。

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