築古アパートの空室対策におけるリフォーム費用の掛け方

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

私は築古アパートを3棟所有していますが、今回は長野のアパートで空室が発生したのでその際のリフォーム費用について解説したいと思います。

 

空室が出たのは、春の繁忙期も終わってしまった6月の梅雨シーズンに入る頃だったので苦戦する可能性もあります。

 

しかし結果は、リフォーム後の募集から2週間ほどでお申し込みを頂くことができました。(厳密には、この期間に3件お申込みが入りましたが、2件は仕事都合や初期費用などの諸事情で話が流れました)

 

募集から2週間でのお申込みというのは、繁忙期も終わった時期で、かつ人口4万人という賃貸需要も小さいエリアにしては、まあまあのスピード感だったと考えています。

 

もちろん客付けをしてくださった管理会社様のご尽力によるところが大きいのですが、今回はリフォームからお申込みまでの流れをまとめてみます。

 

空室対策で悩む大家さんの参考になれば幸いです。

物件スペックと退去後の状況

今回の空室が出た物件のスペックです。

 

  • 立地:長野の田舎エリア
  • 築年:築28年
  • 構造:木造2階建て(4世帯)

 

今回、空室が出たのが1階の1LDKのお部屋です。

 

前のアパート所有者(オーナー)が使っていたお部屋で、その後、私がこのアパートを購入したときに、2階の男性が1階に引っ越したいというのでリフォーム無しの条件で転居して4年間住んでいました。

 

したがって、前の所有者さん時代も合わせると、おそらく10年くらいリフォームされていないお部屋です。お部屋はこんな感じです(※ちょっと写真が暗くてすみません。。。)

 

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模様の入ったクロスが、どことなく昭和レトロ感を感じさせます。

 

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古めかしい換気扇とエアコンです。エアコンは壊れて動きません。

 

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(写真で分かりにくいですが)すべてのお部屋の壁がヤニまみれで、クロスは黄ばんでいました。

 

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キッチンはサビだらけで、築古感たっぷりです。油汚れもかなりあります。

 

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キッチン横には、謎の焦げ跡がありました。窓枠はペンキが剥がれてボロボロです。

 

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洗面台もよくある古いタイプです。写真では分かりにくいですが、洗面台のドアもかなり痛みがありました。

 

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花柄のクッションフロアは、好みが分かれそうな柄ですね。

 

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トイレは簡易水洗で汲み取り式です。お風呂は鏡が汚れていて、シャワーホースは破れています。水栓まわりの壁はサビていました。

築古アパートのリフォーム費用

築古アパートでは、退去後にこれくらいの状態はよくあることですね。

 

普通にリフォームするとざっと以下の内訳で、30万円前後は覚悟しておかなければいけません。1LDKだとクロス面積もそこそこ大きいです。

 

  • 壁&天井クロス全交換 10万円(100㎡×単価1000円)
  • エアコン新品交換 7万円
  • キッチンダイノックシート 2万円
  • お風呂の壁塗装 3万円
  • 洗面トイレのフロア 2万円
  • 洗面台交換 4万円
  • クリーニング 2〜3万円

 

このようにリフォーム費に30万程度かけて、客付け時の広告料1〜2ヶ月、さらに空室期間が3〜4ヶ月にもなると、あっという間に家賃1年以上のコストになってしまいますね。

 

これが「築古アパートは修繕コストが掛かる」と言われる所以です。

 

地方高利回りの単身アパートだと、家賃が4万円や5万円も取れないケースが多いので、次の入居者さんが1年〜1年半くらいで退去してしまうと、ほとんど利益が出ません

 

したがって築古アパートの運営で大切なのは、何をリフォームするかだけでなく、何をやらないのかという視点だと考えています。

今回のリフォーム内容と掛かった費用

私が今回やったリフォーム内容と掛かった費用は以下です。セルフリフォームしたので、交通&宿泊費も入れています。

  • アクセントクロス(のり付き) 1万円
  • クロス塗装ペンキ代(壁のみ) 1万円 
  • 建具ペンキ塗装(キッチン/洗面)2千円
  • お風呂&洗面台ダイノック 5千円
  • お風呂ミラー 2千円
  • トイレ&洗面所CF 2万円(業者発注
  • 火災報知器交換 2千円
  • キッチンカッティングシート 2千円
  • シャワーホース交換 3千円
  • エアコン撤去 1万2千円(業者発注
  • 交通費(ガソリン&ETC)1万7千円
  • 宿泊代(2泊) 1万2千円

 

合計で10万円ほどになりました。仕上がりは、こんな感じです。壁のアクセントクロスは自分で貼って、白クロスはすべてペンキで塗装しました。

 

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見ていただくと分かるように、けっしてハイレベルなリノベーションではありません。あくまで表層リフォーム程度です。

 

田舎エリアで次の入居者を見つけるためには、これで十分だと判断しました。

 

今回のリフォームのポイントです。

  1. クロスは上張り&ペンキ塗装
  2. エアコンは交換せず撤去する
  3. お風呂、洗面台、キッチンはシート施工で見栄えを出す
  4. クリーニングは自分でやる

 

これにより通常30万円くらいかかるコストが、10万円で済んだので3分の1になりました。トータルコストとしては10万円+広告料1ヶ月です。

 

なお退去した入居者さんから、原状回復費用として5万円(ルームクリーニング+タバコヤニ特別洗浄)をもらったので、実質のオーナー負担は7〜8万円ほどです。

 

これなら家賃2ヶ月分くらいですから十分許容範囲ですね。

 

もしセルフリフォームせず、施主支給+職人さんへの発注でも、15万円くらいあれば済んだでしょう(私の交通&宿泊費も不要になります)

 

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築古アパートは退去が発生する度に、多額のリフォーム費をかけていると、なかなか手元資金が貯まっていきません。

 

これをまずは念頭に置いて、投資をしたいところですね。

 

とくに単身向けアパートは退去頻度も上がりますから、その度にお部屋の痛み具合にあわせてリフォーム費用も変わってきます。

 

設備をすべて新品交換すればキレイになりますが、それは客付けするために本当に必要なのか?を考える必要があります。

 

したがって私は、やらないことを決めるのが経営者の役目だと思っています。設備強化しても家賃UPに貢献しないケースもありますから、リフォームはいつも最小限です。

 

ただし競争力を出すポイントと、そのまま現状で行くべき箇所の判断が悪くならないよう注意しています(自分で考えて、妻にも相談して客観的な意見をもらいます)。

 

また生活する上で、不便に感じるようだと短期入居になるのでその辺りのバランス感覚は必要だと考えています。入居者さんには気持ちよく住んでもらいたいものです。

 

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一番良くないのは、家賃UPを狙って多大なリフォームコストを掛けたのに、空室が長引くケースです。これは完全に、マーケットの賃料相場・需要を読み誤っています。

 

したがって、どの程度のお部屋を作れば、どれくらいの家賃が取れるのかを正確に判断できるモノサシは重要になってきます。(ネット上での分析と、仲介店へのヒアリングなど多方面から調べ尽くすことです)

 

もちろん、購入時に超格安で物件を掴めるなら、多額にコストを掛けてもOKです。ある程度のリフォームコストは吸収できてしまいます。

 

しかしながら、オンボロアパートをフルリノベで投資回収していくというのは、初心者にはちょっとハードルが高いと考えています。

 

リフォームコストや賃料相場を正確に見極めて、物件を再生するというのは、それなりの経験とスキルが必要になってきます。

 

築古アパートは次々に空室が出ても、その度にリフォーム費用を最小に抑えて、一つ一つ空室を埋め続けるスキルと忍耐が必要になります。

終わりに

今回は、築古アパートに掛かるコスト感覚と空室対策について全体像をまとめてみました。

 

アパート投資は、それなりに考えることが多いですね。リフォーム費や空室期間といったちょっとの変数で、収益性が大きく変わっていく投資です。

 

ですから投資初心者は、まずは小さい物件(ファミリー向けの区分マンションや戸建て投資など)からスタートして、経験と自信を培っていくのが基本になります。

 

私が1棟目に「戸建て投資」をオススメしているのは、多少リフォームコストが膨れても大怪我にならないからです。客付けの難易度も、1棟アパートほど難しくありません。

 

そうやって自信が付いて次のステップとして、築古×高利回りのアパート投資に取り組むのが良いでしょう。

 

世の中には、最初からリスクを取って成功している大家さんもいらっしゃいますが、1棟目から難易度の高い投資をして、苦戦している人もいます。

 

賃貸業というのは、徐々にスキルや経験値を積んで、自分のキャパシティを広げていく投資だと私は考えています。

 

ですから、ゆっくりでも着実に実力を付けていくことが、成功への秘訣ではないかと思います。

 

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