賃貸募集はネットが主流
賃貸の繁忙期はだいたい1月〜3月という、限定された期間です。年末〜年始に出た退去部屋は適正なリフォームと差別化をすれば、この繁忙期に空室を埋めることができます。
一方で3月末の退去、または4月以降に入ってから発生する空室は入居付けに苦労することがあります。大家さんをしていればこの時期の退去は悩みのタネになります。
現代では賃貸募集は7割、8割がインターネットでの反響営業になっている時代です。
あまり名の知れていない、駅前に店舗があるわけでもない客付け会社でも、賃貸仲介ビジネスが成立するのは、まさにインターネットの恩恵に拠るところが大きいでしょう。
反響営業なら写真が命
このネット社会において、SUUMOやホームズやアットホームなどインターネットからの反響を積極的に狙っていくなら、まずは「写真が命」ということになります。
募集条件(家賃・敷金礼金など)が適正で、リフォームも見映えのするものになっているのに問い合わせや内見希望が出てこない。
これは写真が悪いケースを疑わなければいけません。
どんなに築浅であろうと、お部屋を清潔にしていようと、掲載写真のクオリティが低い物件に、反響を期待するのは難しい時代になってきています。それだけ消費者の目は肥えていますし、写真を見れば内見に値する物件かどうか一瞬で見抜かれます。
内見が少ない場合、すぐに広告料を増やしたりフリーレントをつけるとコストUPになってしまいます。
したがって、まずは写真を変えてみることをオススメします。その際に、よく使われるのが広角レンズでの撮影です。
スマホ用広角レンズ
最近は便利な商品が出てきていますね。
今回使ってみたのは「Lieqiセルカレンズ」という製品です。スマホ用なので、自分が持っているスマートフォンにそのまま装着して、広角レンズでの撮影が可能です。
値段も、一眼レフカメラなどと比べても980円と格安なのも魅力ですね。色はブラック・シルバー・レッドの3色から選択することができます。
内容物は、、、
- セルカレンズ本体
- スマホ取り付け用クリップ
- レンズカバー
- レンズ用ケース
この4点です。まずは普通にスマホだけで撮影してみました。その写真がこちら。
最近のスマホは画素数が高いので、写真としてはまったく問題ありません。しかし賃貸募集用の写真としては、狭苦しい印象の写真になってしまいます。
もちろんこの写真も、お部屋の入口ギリギリから撮影しています。スマホで目一杯広めな部屋に見えるよう後ろに下がって撮影したものです。
では次に、スマホ用広角レンズ(セルカレンズ)で撮影した写真がこちらになります。
こちらは、だいぶ広めなお部屋の印象を出すことができました。もう少し光量をスマホ側で調整すれば、もっとクオリティが上がるでしょう。
1点気になるのは「ケラレ」です。ケラレとは、画面の隅にレンズのフード部分が写り込んでしまうことです。この写真でも隅に黒い縁がでてしまっていますね。
しかしこれは撮影後に、隅の部分を除いてスクリーンキャプチャーすれば解決するのでそこまで大きな問題ではないかもしれません。
手軽に広角レンズを使いたい方には、おすすめです。
広角レンズ付きデジカメ
まずは普通にスマホで撮影した写真です(リフォーム中の写真になってしまっているのはご愛嬌ということでご勘弁ください)。
やはりお部屋の広がりはありません。次に先ほどのスマホ用広角レンズで撮影した写真がこちらです。
やはりケラレが出ているのと、両サイドは歪みが出ています。
最後に、広角レンズ付きのデジタルカメラでも撮影してみました。ちょっと寄りで撮影してしまったので、広さだけで比較するとスマホ用広角レンズの方が、キッチンまで写っていて広く見えます。
しかしデジカメの良いところは、色味や明度の調整を自由にコントロールできるところです。これはスマホ用広角レンズにはない機能です。床の汚れや傷なども、デジカメの方が目立ちません。
これは好みの問題もありますが、私はスマホ用広角レンズより、広角レンズ付デジカメの写真の方を好んで使っています。
私が使っているのは「OLYMPUS PEN Lite E-PL6 レンズキット」というデジカメです。そこに「オリンパス WCON-P01」というワイドレンズを付けて使っています。
デジカメにも広角レンズが付いていますが、そこにワイドレンズを外付けすることで、よりお部屋を広く撮影できるようになりました。価格はデジカメが3〜4万円、ワイドレンズが8千円ほどでした。
撮影した写真がこちらです。
究極に拘るなら、一眼レフカメラと広角レンズをセットで購入することです。ただし、値段は10〜15万円前後を覚悟しておかなければいけませんね。
部屋数が多い大家さんならば、費用対効果は得られるのではないでしょうか。
おわりに
最近は、写真撮影だけプロに撮影してもらう方法もあるようです。1回1万円〜2万円程度(+交通費)というような相場のようです。編集付きで、遠方から来ていただくのでそれなりに掛かります。
ある程度の部屋数を所有するオーナーさんであれば、やはりカメラは自分用に一つ良いものを持っておくほうが良いでしょう。毎回高い広告料を払うくらいなら、初期に15万円のカメラを買っても、数回分の客付けで元が取れます。
賃貸募集は、写真を変えただけで反響が出てくるということがあります。だからこそ、写真撮影を仲介会社任せにしたり、クオリティの低いカメラで撮影しては勿体無いということになります。
もちろん設備が弱いとか、家賃設定が悪いなど、別の要素もあるので慎重に判断しなければいけませんが。
反響が出ないときには、掲載写真の見直しから行っていきましょう。賃貸業で生きていくなら、空室ロスは最小限にしなければいけませんね。
▼春の繁忙期に空室が埋まらない物件は、オーナーの采配を変えなければいけないでしょう。繁忙期だからこそ、腰をすえて対策を実行していくべきですね。
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