アパート経営は空室対策が一番難しい
アパート経営の大きな障壁の一つが「空室対策」であることに疑いの余地はありません。私自身、戸建ての入居付けで苦労した経験はあまりないのですが、アパートの空室対策はそれなりに労力が掛かります。
戸建ては拡大スピードが遅く、1棟アパート・マンションはレバレッジを活用しているのですから、リターンを狙った結果、多少の苦労があることはしょうがありません。
空室対策というのは経験やノウハウが、ものを言う世界です。一朝一夕で身につけることは難しい分野であり、そういう意味では数をこなすことが大切になります。
その秘訣は何かと言うと「価値に対して割安に募集すること」。これに尽きるでしょう。
そのために物件の価値(バリュー)を上げることが、賃貸経営者のコアワークであるということです。それについて私の所有物件の今春の退去リフォームを例に紹介します。
所有アパートで2部屋の空室が発生
直近の春だと、私が千葉県に所有するアパートで2部屋の空室が発生しました。一つは3月末、もう一つは4月末の退去で、時期もあまり良くありません。
リフォーム前の写真はこんな感じです。アクセントクロスも入っていませんね。こういうのを私は”ホワイト物件”と呼んでいますが、これでは競争力がありません。
キッチンも清潔感はありますが、凡庸です。このアパートの前の持ち主さんはこの写真を使って募集していたようで、年間の稼働率が低い状況だったようです。
空室対策で効果のあったグッズ
このようなお部屋では、おそらく空室は3ヶ月〜半年は続くでしょう。賃貸事業として本気で取り組むのであれば、この空室期間は致命傷です。
稼働率が低い物件があったり、長期空室のお部屋があると金融機関ウケも良くありません。空室が出たら、真っ先に対策することをオススメします。
そして、「空室」というのは待っていて勝手に埋まることは絶対にありません。このお部屋について私の場合、どうやったのかまとめておきます。対策はシンプルです。
- アクセントクロス
- カーテン
- ミラー
- 間接照明、フロアランプ
- クッション
- 飾り用シェルフ
- 造花&パネル
上記のステージング用品は、ほとんどがIKEAかニトリで購入しています。最初に2〜3万円くらい掛かりますが、何度も使いまわしできますから、一通り揃えてしまったら費用対効果は抜群です。
アクセントクロスは赤やピンクだと女性ウケ。青・グレー・レンガ調だと男性ウケが狙えます。しかし私の場合は、男性・女性とも入居者の裾野を広げたいので、グリーン系のクロスを好んで使用しています。
そして居室の写真はどの角度から撮影しても、間接照明やフロアランプなどが目に入るようにしています。
今回、新規で試したのはカーテン(柄物&レースの両方)ですね。グリーンのアクセントクロスに合わせる形で、森や葉っぱを連想するものを取り入れてみました。
また女性には、お部屋にミラーが付いていると反応が良いことが以前もあったので、今回も導入しています。
間接照明は写真の雰囲気をグッと上げてくれるので、必ず設置するようにしています。照明により、生活感のない暗いイメージの室内が暖かい印象なります。
キッチンもカッティングシートだけでなく、造花・観葉植物・パネルなどの小物をできるかぎり設置するようにしています。
お客様がキッチン全体から、小さいグッズに目線が行きますので、これだけでウェブ上でも写真(物件情報ページ)を見る時間が伸びます。
今回使ったグッズは、ニトリ&カインズ&IKEAの商品です。写真のグッズ全部揃えても、1万円程度のコストでした。
これでお部屋はだいたい完成です。
アクセントクロスは私のセルフリフォームです。のり付き壁紙でコストは5000円程度です。カッティングシートはキッチンと同じものを使っています。ホームセンターで買える安価なものですが見映えは十分です。
空室対策は4つの要素
最後に、写真撮影のクオリティは内見率を大きく左右します。ここを仲介業者任せにすることは避けましょう。自分で広角レンズで撮影して、それを業者さんに使ってもらうというのが基本になります。
今回、マーケティングの4Pで言うところの、Product(商品・サービス)を中心に纏めましたが、次のステップとして、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の工夫をしていくことになります。紙面が長くなってしまう、機会があればまた記事にしたいと思います。
なお今回のアパートの空室ですが、リフォームの数日後に2件内見予約が入り、そのうちの1件(若い女性の方)から早速お申込みを頂きました。現在は、残り1部屋を埋めるべく、写真や条件を微調整しながら対応しています。
※(4/16追記)もう一部屋もお申込みが入りました。1部屋目は募集から1週間、もう一部屋も2週間ほどでお申込みを頂けました。空室対策グッズの効果を実感しています。
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