こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
地方で新築アパート・中古アパート・中古戸建て全11棟の賃貸経営をしています。
さて今年、私は初めて「孤独死物件」を購入しました。リフォームして募集スタートしたところ、すぐに問い合わせが数件ありました。
孤独死のワケあり物件ですが、入居申込みが入りました。募集から5日だったので結構早かったですね。
無事、契約まで行ってくれることを祈ります。 pic.twitter.com/M1n147Vf03
— ペリカン@不動産投資ブロガー (@Pelican0825) March 25, 2020
もちろん、今回はたまたまお申し込みが入っただけかもしれません。
今回は、孤独死物件の入居付けのポイントについて詳しく解説してみたいと思います。
事故物件・訳あり物件の賃貸募集にご不安な方の参考になれば幸いです。
孤独死物件に賃貸の入居申込みをもらえた理由
ポイントは、以下の4つあると思っています。
- リフォームに注力して差別化した
- 家賃を相場より下げて募集した
- ペット可にした
- 繁忙期の募集スタートに拘った
それぞれ解説します。
1.リフォームに注力して差別化した
まず、一番大切になってくるのはリフォームです。
以前、楽待さんのコラム「1戸目から「孤独死」の試練、再生目指した女性オーナーの奮闘」では、かなり凄惨な状況だったお部屋にも関わらず、入居付けに成功した事例が紹介されていました。
コラムでは、キッチン・ユニットバス・インターフォンなどの設備はもちろん、コンセントなど細部まで全取っ替えしていました。
結果的には、相場家賃より8000円も高く入居が決まったという話が、私の脳裏に焼き付いていたのです。
そこで私も、できるだけ見栄え良くなるよう、リフォームによる差別化を最大限意識しました。
各部屋のリフォームの詳細は「訳あり物件をリフォームして賃貸できるか?【築37年の戸建てで検証】」もご覧ください。
実際には、今回はキッチン・お風呂など、費用がかさむ部分はリフォームしていません。
しかし、給湯器・エアコン・ウォシュレット・洗面台の新調など、できる範囲内では最大限更新しました。また、和室の洋室化、床はフロアタイルの施工など、見た目の部分はパリッと魅力的にリフォームしています。
中途半端にリフォームすると入居付けが厳しくなることが予想されます。一方で、コストを掛けすぎても収支が悪化しますので、このあたりのバランスは一番難しいところでした。
取れる家賃が未定な中で、リフォーム予算を組むというのは、私にとっては貴重な経験になりました。
2.家賃を相場より下げて募集した
まわりの大家仲間から、一番よく聞かれたのが「家賃はどれくらい下げたの?」という質問です。
結論からいうと、1割減で決まりました。
賃料について近隣仲介さんに相談したところ「相場家賃から3〜4割下がってもおかしくないです」と言われました。ですが、私はそのエリアに貸家を4棟ほど持っているため、土地勘があったのでもう少し上を狙えると考えていました。
ですから、賃料のアッパーを狙いつつ、反響もしっかり取れるギリギリのラインを探ることにしました。
最終的には、SUUMOで相場賃料をチェックして、賃料は1割減で募集スタートしました。
3.ペット可にした
いつも戸建ての場合は、ペットOKにしているのですが、今回も同じようにしました。
ペット可物件というのはマーケットに少ないため、相変わらず根強い人気があると思っています。具体的に私は「小型+3000円、中・大型ペットも応相談」としています。
一瞬、「ペットOKかつ無料」にしたほうが引きが良いかとも思ったのですが、+3000円を渋ってお申し込みを入れないのであれば、物件自体に問題があると言えるでしょう。
本物件を募集スタートしてから、複数お問い合わせがあったのですが、猫が2匹いる人もいました。最終的には、今回お申込みを入れてくださった人も、小型犬を飼うということでした。
また仲介さんが敷金を2ヶ月取ってくれたことはありがたかったです。このあたりうまくやる仲介さんとそうでない仲介さんがいますね。
4.繁忙期の募集スタートに拘った
物件契約したのが2月中旬でした。しかし、決済が3月中旬以降になりそうなことから、売り主様に決済前にリフォームを実施させていただく許可をいただきました。
これによりリフォームと募集を3月中にスタートすることができました。売主さんがご理解のある方でよかったです。
リフォーム開始が1ヶ月早まると、それだけ早く臨戦態勢に入れますから、この効果は大きかったと思います。
おわりに:孤独死物件は見えない不安や葛藤もあります
本記事で言いたいことは、「孤独死物件でも、綺麗にリフォームすれば埋まるよ」ということではありません。
むしろ逆ですね。いろいろなことが見えない中で、個人的な不安や葛藤は、もちろんありました。
もしこれが供給過剰エリアのアパート物件だったら、そう簡単に入居が決まらなかったかもしれません。
ですから、供給が少ない戸建てを、丁寧にリフォームし、割安な家賃で募集した、という3つの条件を意識しました。
また「物件を圧倒的に安く買えたこと」が最大のポイントだったとも思っています。相場よりかなり安く買えば、「リフォームして売却する」という選択肢も出てきます。
※もちろん反復売買は宅建業の免許が必要になりますので注意してください。
実際、本物件も、私の他の貸家の入居者さんから「購入検討したい」と言われて内覧してもらい、買いたいと言われました(最終的にはご家族の同意が得られず話が流れましたが)。
安く買えば、いろいろなチャンスがあることを実感しました。利は仕入れにあり、ということですね。
ただ、人間にとって生死というのは、ごく自然なことでもあります。それを嫌悪する気持ちも、また否定すべきものではありませんが。
今後はますます高齢化が進行します。当然、孤独死リスクというのは、賃貸経営では常に付きまとってくる問題です。
われわれ大家は、いざその事実に直面した時に、対処するスキル(精神的余裕も含めて)身に付けておく必要があります。
以下、関連記事です。
▼戸建て投資の出口戦略について言及しています。
▼傾きや心理的瑕疵のある物件を内覧したときのエピソードです。