中古物件の残債利回りは15%以上を目指そう【ただし高金利に注意】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

不動産経営の最大のメリットは「銀行からお金を借りて物件を買えること」です。

 

不思議なもので、手元にキャッシュがなくても、融資レバレッジで大きな投資ができることは、不動産経営ならではの醍醐味と言えるでしょう。

 

しかし、融資を使うからには、それはすべて「借金」です。当たり前ですが、借金は何が起ころうとも返済して完済しなければいけません。

 

そこで大切な指標になってくるのが、本日ご紹介する「残債利回り」という指標です。

 

すでにご存知の方もいるかもしれませんが、復習も兼ねて確認しておきましょう。

そもそも残債利回りとは?

残債利回りの計算方法は、次のとおりです。シンプルで、簡単な計算式ですね。

 

  • 残債利回り=家賃収入÷残債×100

 

上記のとおりです。

 

簡単にいえば、いまある借金に対して、どれくらいの利回り(収益性)で回っているのか?の指標ということですね。

 

「残債利回り」は買ったときが一番低く、ローンの返済が進んでいくと、だんだん高くなっていきます。つまり、家賃下落が無ければ、時間が経てば経つほど、不動産経営は安全になっていくということですね。

 

そういう意味では、不動産経営の安全性をあらわすのが、この残債利回りと言えるでしょう。

 

融資を引きながら物件を増やしていく不動産投資だからこそ、できるだけこの残債利回りを意識した経営をすることが、健全な規模拡大においては大切になります。

 

このまま借り入れを増やしていって本当に大丈夫かな?と不安になる初心者の方には、簡単に計算できて使い勝手のよい基準ですね。

 

では、この残債利回りがどれくらいだと健全な経営と言えるのでしょうか。事例をまじえつつ、解説してみたいと思います。

中古物件の残債利回りは15%以上を目指したい

中古物件

 

中古物件の残債利回りだと、以下がだいたいの基準として考えています。

 

残債利回りの目安
  • 10%以下:要注意
  • 10%〜15%:及第点
  • 15%以上:合格
  • 20%以上:優秀

 

2022年時点での、ペリカン所有物件の残債利回りは、以下のようになっています。

 

 

所有物件全体では18.6%となっています。以前は20%を超えていましたが、最近は新築アパートを建てていることで、だんだん低下しつつあります。

 

なお、この残債利回りは、高ければ安全度が増すのは事実なのですが、高ければ高いほど良い、とも言えません。

 

なぜなら、残債利回りが高すぎるということは、レバレッジがあまり効いてない状態、でもあるからです。

 

たとえば、無借金で物件を買い増していくような投資家さんは、この残債利回りが「∞(むげん)」になります。

 

もちろん「無借金経営」が安全度は一番高くなりますし、投資家さん個々の考え方でもありますので、批判されるべきものではありませんね。

 

しかしながら、無借金それ自体は、不動産の最大メリットである「融資レバレッジ」をまったく活用できていない、とも言えます。

 

もうすでに70代80代となって終活を考えるようなライフステージであれば別ですが、ぜひ若い投資家の方は、適切なタイミングで、適切な金額の融資を引きながら、規模拡大を図っていただきたいと思います。

 

もちろん無理をする必要はありません。借金のボリュームは、自分が心地よい水準で良いと思います。そうやって、自分ができる投資をストレッチしていくことが、経営者としてのスキルを育てることにもつながります。

残債利回りを見る時は「高金利融資」に注意しよう

高金利融資

 

残債利回りの最大の注意点は、「高金利融資」の物件リスクが見えないということです。

 

なぜかと言うと、残債利回りは【家賃収入÷残債×100】という計算式ですが、家賃収入が分子に来ているために、ローンの元金返済と金利支払いの割合がわかりません。

 

高金利のアパートローンの場合は、支払いのほとんどは利払いに充てられるため、ローンの元金返済があまり進んでいかないのです。

 

先程ご紹介した私の所有物件では群馬アパートが、まさにこれなのです。

 

群馬アパートは、残債利回りが12.7%なのであまり問題ないように見えますが、金利3.9%のフルローンで25年融資を引いて購入したので、最初の数年はぜんぜん元金返済が進みませんでした。

 

それを問題に感じた私は、2021年に金利3.9%を借り換えて、金利2.775%まで落として、幾分マシになったことは以前の記事で書いたとおりですね。

(参考)三井住友トラストのアパートローンを借り換え成功!金利1%削減の効果とは?

 

では、どのように物件評価をすればよいかと言うと、「イールドギャップ」もあわせて見ることでしょう。

 

イールドギャップとは?
イールドギャップとは、「投資利回りー借入金利」の計算式です。

 

「まずはアパート1棟買いなさい」の著書で有名な石原博光さんの本でも、イールドギャップは10%以上取ることを、おすすめされていますよね。

 

 

私のアパート2号の最大の問題点は、イールドギャップが9%台になってしまうということですね。

 

地域最安値で貸し出し、管理会社も強いので常時満室ですが、満室(または1室空きくらいまで)の水準でやっと満足できるキャッシュフローが出るかなという感じです。

 

一般的にはイールドギャップは、中古だと最低10%以上、新築でも最低6%程度は確保したいところでしょう。

 

というわけで、少し長くなりましたが、残債利回りだけで判断できないときには、イールドギャップを補足的に見ていくのもオススメです。

あとがき

不動産投資において、表面利回りだけでの投資判断は、絵に描いた餅になりがちです。それよりは「残債利回り」「返済比率」「手残り」といった指標のほうを大切にしたほうが良いでしょう。

 

なお余談ですが、債務償還年数という指標もありますね。

 

これは(有利子負債-現金)÷(税引後利益+減価償却)という計算式ですが、キャッシュポジションや減価償却費をいくら取るかで、かなり数字がブレるので、私はそこまで拘っていません。

 

ペリカンが現在、物件を選ぶときには、築古ならイールドギャップを10%以上取り、残債利回りが15%以上取れるか、という2つの視点はしっかり見るようにしています。

 

その上で、資産性は十分あるかどうか?この物件を買って債務超過しないかどうか?なども、非常に大切な要素になってきます。土地値のしっかり出る戸建てや、PL上の評価が高くなる新築アパートを中心に最近は買っているのはそのためです。

 

というわけで、今回は「残債利回り」について、私なりの解説でした。

 

以下、関連記事です。

 

▼土地値投資がまた脚光を浴びています。私なりの見解をまとめています。

 

▼高金利のアパートローンのリスクを低減する方法を解説しています。

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