こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。賃貸業スタートして5年間で、アパート3棟・戸建て8棟を購入してきました。
不動産投資というのは「売却タイミング」が一つの重要なポイントになります。
先日、所有している築古アパートの売却について、以下のツイートをしました。
所有物件を一つ売りに出そうかと思っています。
管理会社に売買部門があるので、そのままお願いする予定です。
とはいえ、利回り20%弱あって満室なので、焦らず徐々に下げていく作戦。最悪、売れなくても問題ありません。
— ペリカン@不動産投資ブロガー (@Pelican0825) November 2, 2019
こちらのアパートの収益性はわりと良いので、売れなくても問題ないのですが、一時的に手元キャッシュが増えるメリットがあるため、売却も一つの選択肢として考えています。
というわけで今回は「築古アパートの売却タイミングを考える上での3つのポイント」について解説してみたいと思います。
築古アパートの売却はいつがベストか?
以下の3つが最重要ポイントとなるでしょう。
- 減価償却費と税金
- 大規模修繕するタイミング
- 管理のストレス
それぞれ詳しく解説していきます。
1.減価償却費と税金
木造の法定耐用年数超えの場合、最短4年で建物価格分を減価償却費として計上できます。
一方で、減価償却して経費計上すると、将来にツケが回ってきます。
融資でアパートを購入していると、売却による最終手残りの計算は以下のようになりますね。
上記の知識は、ちゃんと勉強している大家さんは知っている、基礎知識です。
「購入から5年後」というのが一つの節目ということですね。なぜなら、減価償却が切れるのも購入から4〜5年、短期譲渡・長期譲渡も5年がポイントになるからです。
なお上記は、個人名義で不動産購入した場合です。
法人を設立して、不動産を購入した場合は、保有期間による税率(譲渡所得税率)の違いはありません
個人名義だと、その物件単体で譲渡益の支払いが出るため、税金コントロールは基本できません。
例外として、売却益が出る物件と売却損が出る物件を同じ年に売れば、個人でも節税できますが、そもそも売却損が出るケースはそんなに多くはないでしょう(売却損が出るということは簿価以下で売るということですからね)。
基本的には、長期譲渡(保有5年超)になると税率が下がるので、保有期間でタイミングを取るのが王道になっているわけですね。
法人名義で購入すると、長期的にはプロパー融資も引きやすくなります。ただ、まだこれから1つ2つ小さいロットの不動産を買っていくレベルの人は、個人で買うのか、法人で買うのか多少迷われるかもしれませんね。
私の場合は、個人でサラリーマン給与を含めた節税を実行しつつ、昨年から法人化をしました。今後は、節税・融資の2つの観点から、法人での購入に力を入れていきたいと考えています。
2.大規模修繕するタイミング
次に、大規模修繕のタイミングが一つのポイントになります。
私が今回売却に出すアパートは、屋根は瓦で、外壁はモルタルです。したがって、瓦の点検と外壁塗装、階段塗装あたりが、大規模修繕のメインになってきます。
以前、「【はじめての1棟アパート投資】5年間の収支と出口戦略について」で、そちらのアパートの収支を公開しました。だいたい年間70〜80万円くらいの手残りとなっています。
しかし、来年から減価償却費が切れて所得税が上がりますので、このタイミングがホールドor売却の分水嶺と考えています。
これは結構大きいのですが、大規模修繕することで経費にできることと、またアパート自体も10年〜15年くらいは経営できるため、メリットもあると考えています。
売却かホールドかを占うポイントとして、この大規模修繕費用を正確に計算しておくことは大切ですね。
私も、外壁塗装の一括見積りを使って、所有しているアパート全3棟のすべて屋根・外壁塗装費用はざっと見積もってもらったことがあります。見積もりだけなら無料ですので、一度やってみられるとよいでしょう。
戸建の場合は、だいたい1棟あたり100万円前後で済みますが、アパートの場合は壁や屋根の面積がそれぞれ違いますので、費用がぜんぜん変わってきます。こうした費用を事前に把握しておくことも大切ですね。
3.管理面のストレス
最後に管理のストレスです。
精神的な負担としては、主に「物件までの距離・修繕クレーム頻度・入居者トラブルの有無」などが影響してきますね。
私は現在千葉県在住ですが、今回売りに出すアパートは信州にあるため、車で片道4時間ほどかかります。
その点では、信州はこれまで天災の影響もほとんどなかったので、あまり気にせず所有を続けてきました。しかし、2019年秋の台風では千曲川の氾濫により、長野の一部エリアはかなりの被害が出ました。
幸い、私のアパートは何も被害がありませんでしたが、今後はこうしたハザード的な観点も考慮すべきでしょう。
もちろん万が一の修繕は、火災保険が使うことができます。しかし、もし入居者が住めない状態になってしまうと、その間の家賃収入はゼロになります。※火災保険の家賃収入特約は一つのリスクヘッジですね
またアパートは古くなると修繕が出てきます。代表的なのは、給水管の劣化で水漏れとか、屋根から雨漏りとかですね。そういった物件特有のクセみたいなものがあります。
こういった修繕リスクを考えて、年間の手取りがより厳しくならないか予測を立てておくべきですね。それもまたホールドか売却かの判断ポイントになるでしょう。
おわりに:売却を絡めつつ、資産拡大を目指す!
宅建業の免許を持っていない個人・法人が毎年、複数の物件を売却することは、宅建業法に抵触します。
上記ペースであれば、毎年買う物件のほうが多くなるので、長期で見ると資産は増えていくからです。
不動産投資は「継続的な規模拡大」というのが一番大切です。レバレッジで融資を活用して、資産形成をしていくところに、投資としての醍醐味があります。
そのためには、時に売却して手元現金を増やすことが有効です。先輩大家さんの事例を見ても、それは証明されていますね。
ただし現在の不動産業界は物件価格が高止まりして、融資も出にくくなっています。一時期の不動産投資バブルのように、購入して2〜3年運営して1.5倍で売れた!みたいな武勇伝は、過去の産物でしょう。
ですから今の時代は、キャピタルゲイン狙いで不動産投資をするのは、あまり得策ではないと私は考えています。
あくまで、安定したインカム(キャッシュフロー)を得つつ、その積み上げたキャッシュフローでまた再投資するというのが基本的な考えとなるでしょう。
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