こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
今回は、スルガ銀行のアパートローンの融資基準について、ヒアリングしてきましたので皆さんにシェアしたいと思います。
そもそもスルガ銀行は、2018年にシェアハウス(かぼちゃの馬車)で不正融資が発覚し、社会的なニュースになりました。通称、スルガショックというやつですね。不動産投資においても、かなり影響がありました。
その後、2019年あたりからスルガ銀行の新しいアパートローン「投資用不動産ローン」をリリースして、融資基準も大きく変わってきています。
というわけで本記事では、この新アパートローンの詳細について徹底取材した内容をお送りいたします。
スルガ銀行は、1都3県と全国の主要都市に展開
スルガ銀行は、店舗があるエリアのみ融資を行っています。
店舗展開は、以下のとおりです。
- 静岡県 65店舗
- 神奈川県 38店舗
- 東京都 6店舗
- 北海道内 1店舗
- 埼玉県内 1店舗
- 千葉県内 1店舗
- 愛知県内 1店舗
- 大阪府内 1店舗
- 京都府内 1店舗
- 広島県内 1店舗
- 福岡県内 1店舗
- インターネット支店 11店舗
合計:128店舗
※スルガ銀行HP「店舗一覧」より
上記のとおりです。
スルガ銀行は、融資は支店エリアに限定されるため、例えば東北地方のように、支店のないエリアの融資は難しいのでご注意ください。
融資可能エリアについて
関東エリアだと、1都3県に限定されます。北関東(群馬・栃木・茨城)は、スルガの支店が存在しないため、融資エリア外となります。
なお1都3県ならどこでも可能というわけではなく、例えば埼玉県なら、築古物件だと春日部市までなど、一定のラインがあるようです。あまり田舎すぎると担保評価が出ないということでしょうね。
アパートローンの受付は、すべて日本橋にある東京支店で実施されます。
したがって、札幌の物件であっても、名古屋の物件でもあっても、すべて受け付けは東京支店@日本橋での対応になります。
お申込者の条件と融資上限額について
融資は、個人・法人とも可能です。
法人の場合は、不動産管理法人(賃貸業に特化している会社)であることが条件になりますので、ここは注意したいところですね。
個人の場合、年収条件などはないとのことですが、以下の条件の方は審査が通りやすいとのことです。
- 金融資産(現金・有価証券など流動性の高い資産)が多い方
- サラリーマンで年収1000万円以上の方が望ましい
ただし、上記のような高属性でなくても、総合的な判断で融資は可能とのことなので、例えば年収が600万円〜800万円だけど、預貯金はしっかりしているなどプラス要素があれば、十分審査の土俵にのるそうです。
なお購入する物件価格の3〜4割の現金があると、非常に取り組みやすいそうですので、普段から蓄えをしっかりやっておくことも大切なことと言えるでしょう。
金利・融資期間・自己資金など
基本金利は2%〜3%弱という水準になっています。※変動金利・元利均等返済
金利については、エリアにもよるようです。例えば、東京都内だと2%前半〜、埼玉・千葉だと2%台半ば〜3%弱など、物件エリアや評価によって、金利が微妙に変わってきます。
また属性がハイスペックのサラリーマンで資産が豊富だと、金利1.8%で融資した実績もあるそうですので、属性が審査に与える影響は大きいと言えるでしょう。
融資期間は、以下のとおり。
- 木造・軽量鉄骨造=50年ー経過年数
- 重量鉄骨・RC=60年ー経過年数
築古で耐用年数超えの物件でもOKというのはありがたいですね。ここは、従来のスルガらしい基準です。
ただし、中古の木造アパートで築20年の物件だと、30年融資は実質厳しいそうです。その場合、中古だと25年程度になることが多いようで、自己資金を2〜3割入れるなら、期間30年まで伸ばせる可能性も出てくるそうです。
ちなみに、新築の場合は、木造・軽鉄で最長30年、RC・重鉄で最長35年まで可となっています。
基本的に自己資金は1割程度となることが多いですが、築古物件や維持メンテナンス費用がかかりそうな物件だと、2〜3割を求めるようですので、かなり物件や申込者の属性を考慮して、慎重に審査をする姿勢になっています。
物件の担保評価について
基本は、収益還元評価になります。案件持ち込みから、3営業日で事前審査を出してもらえます。審査はすべて本部審査になっています。
注意点として、たとえば都内で土地が広くて土地評価が高い物件であっても、収益還元からしっかり評価されるため、土地値だけやたら高い物件も厳しい審査になるでしょう。
現在は、お申込者の属性や自己資金などトータルで審査されますので、物件単体での評価だけというよりも、申込者の属性もしっかりチェックして、融資可否や金額を出すという流れになっています。
この「すべて本部審査に統一」「属性も重視」という点は、シェアハウス事件が大きく影響しているものと思われます。
融資上限・繰上返済手数料について
上限は10億円です。ただし、個人だと4億円が上限になります。
これは個人名義だと、団体信用生命保険への加入が必須になり、その上限が4億円だからですね。法人の場合には、代表者保証ということになります。
繰上返済については手数料がかかります。
つまり短期での転売や借り換えはやめてね、ということですね。
審査が迅速で物件をおさえられるスルガで一旦買っておき、すぐに借り換えすると2%の手数料がかかってしまいますので、注意しましょう。
あとがき
今回のヒアリングですが、最初はコールセンターに繋がり、その後、支店の融資担当さんからの折り返して電話をもらって詳しくお話を聞かせていただきました。
その際に、感じたことは「電話での対応が大変丁寧で、とても印象がよかった」ということですね。正直、わたしもスルガ=怖い会社のイメージもあったので、これはちょっと意外でしたね。
電話でも、不祥事を起こしたことの話題にも触れていて、また心を入れ替えて融資の取り組み提案をしていきたい姿勢の表れ、というと大袈裟かもしれませんが、そのようなものを電話口から感じました。
金利も2〜3%とこなれてますし、築古物件もノンバンクと同水準の融資姿勢ですので、キャッシュフロー重視の投資家さんには活用の余地があるかもしれませんね。
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