こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
話題になっているレオパレスですが、いろいろな問題があって要点が分からないという人も多いと思います。
そこで今回は、レオパレスの問題を大きく2つに分けて、簡単に解説します。
問題その1:サブリース(家賃保証契約)の一方的解除
レオパレス21は、地主相手に相続税対策としてアパート建設をしていました。
なぜアパート建設が相続税対策になるかというと、土地は路線価で計算されると、実際の購入価格より低く評価されます。また建物も固定資産税評価されると、取得価格の60%〜70%くらいまで評価が下がります。
すると、たとえ1億円かけてアパートを建築しても、税務上は6000万〜7000万くらいの評価になり、相続財産の課税価格が大きく減らすことができます。
これが昔から「アパートを建てると相続税対策になる」と言われる所以なのです。
でも、所有期間中にアパート入居率が下がるとオーナーは困りますよね?そこでレオパレスは、アパート建設業界ではじめて30年一括借上システムを採用して、業績をグングン伸ばしてきました。
「30年ずっと家賃保証するので安心してください!」と言って、地主を安心させてアパート建設をさせていたわけですね。
しかし、2008年のリーマンショックにより、経営が苦しくなったレオパレスは、家賃保証できなくなり、契約の解除をオーナーに一方的に通告するようになりました。
これが俗に言う、「終了プロジェクト」と同社内で呼んでいた、悲惨な実態です。
あるオーナーは、契約から14年後に突然解約されて、その時にアパート入居が1部屋しかなかっため、翌月から家賃収入がなんと2万円まで下がってしまった悲惨なオーナーさんもいるようですね。。。
中には解約ではなく、保証額の減額だったオーナーさんいるようですが、営業マンから「今日、印鑑を押さないと、減額が2倍になるぞ!」と脅されて、なかば強制的に印鑑を押させていたようです。
地主を安心させて、家賃保証まで提案したのに、途中で一方的に解約・減額した。
これが同社がここまでニュースになった1つ目のポイントです。
問題その2:アパート建設の施工不備
レオパレスは、アパート建設においても「安かろう悪かろう」のアパートを建設していました。
主な建築不備は以下の3つです。
2. 断熱材の相違
3. 天井部施工不備
以下、簡単に解説しますね。
1. 界壁施工不備
「界壁」とは何なのかご説明します。
界壁とは、共同住宅において、各住戸の間を区切る壁のことをいいます。 相応の防耐火性能や遮音性能が求められます。 建築基準法上、界壁は遮音上問題となるすきまのない構造であり、耐火構造または準耐火構造または防火構造でさらに天井裏に達するように設けなければなりません。
図で説明するとこんな感じです。
防火や耐震で必要な「界壁」が存在しないことで、入居者さんに大きな危険性が及びます。
2. 断熱材の相違
アパート外壁内側の断熱材がグラスウールではなく発泡ウレタンが使用されていました。
実際は、発泡ウレタンよりグラスウールの方が安い素材になります。ですが、発泡ウレタンは作業効率がよくコストが減らせることから、職人の人件費削減を狙った可能性があると考えられています。
建築確認申請では、グラスウールで申請していたようなので、それで施工しなければならなかったのですが、確認申請と実際の施工が違うため、非常にずさんな施工管理がされていたことがよく分かります。
3. 天井部施工不備
居室の天井部の石膏ボードは2枚張りすることが定められています。
しかし、レオパレスが建築したアパートではこのボードが1枚張りになっていたり、2枚張りでも定められた部材が組み合わさっていない場合がありました。
おわりに:社会からの制裁を受けるレオパレス21
レオパレスの建築基準法を満たしていないアパートは、1324棟のアパートに及ぶそうです。
しかしながら、同社のアパート建設事業は、いま現在でも続いていますね。
決算発表において記者が「界壁施工不備問題およびアパート融資の厳格化の影響を受けていますが、受注高は前期比10%と減少が限定的となっている要因を教えてください」と質問したところ、以下のように答えています。
界壁施工不備問題により受注高の減少が見られますが、当社顧客は地主が大半であるため融資厳格化の影響は大きくありません。また、今期はアパート以外の受注も増えており、受注高減少幅の縮小に一定の効果があると考えています。
レオパレスは地主相手なので、アパート融資が冷え込んでも、銀行からローンを引けてしまうのですよね。
高齢の地主さんは、今後も相続税対策のためのアパート建設をやめることはないでしょう。
引き続き、われわれも同社に対して、監視の目を光らせ続けなければいけません。
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