こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。10棟の不動産経営をしつつ、地方でのんびり生活しています。
不動産投資における「利回り」というのは、物件の明暗を分ける大きな要素の一つです。
それだけ利回りという要素が大切なのですが、これが投資判断を狂わせることもあるのですよね。
今回は、表面利回りと実質利回りの違いをわかりやすく解説します。
表面利回りと実質利回りの違いとは?
「表面利回り」は、例えば1000万円の不動産で毎年100万円稼ぐなら、10%の利回りということなります。
これは「家賃収入÷購入価格」という単純なルールなので分かりやすいでしょう。
一方「実質利回り」は、同じく1000万円の不動産で毎年100万円稼ぐけど、例えばローン金利が某S地銀ように4.5%という高金利になってしまうと、金利返済だけで年間45万円になります。
これ以外にも、管理料がだいたい5%かかります。年間家賃100万なら5万円ですね。あとは、税金(所得税・住民税)などが引かれて最終手残りがおそらく30万円くらいになります。これが実質利回りと呼びます。
1000万円の初期投資で年間30万円の利益というと、利益率3%となり、株式配当と比べても悪くないように感じますが、不動産が中古であれば、エアコンが壊れたら6万円、給湯器が壊れたら10万円など、修繕リスクが常に付き纏います。
それ以外にも、賃貸募集時の広告料、火災保険料、固定資産税、区分マンションなら管理費・修繕積立金など、さまざまな支出が存在します。
したがって不動産投資において、起こりうる費用を熟知することにくわえて、投資物件ごとの固有のリスクを把握しておく必要があります。
不動産投資は、よっぽど都心でないかぎり、インカムゲイン率の高いビジネスなので、私は失敗しにくい投資だと思いますが、失敗しないことと、成功することは雲泥の差があるということです。
「損はしなかったけど、儲かりもしなかった」ということだと、時間の無駄になってしまいます。
区分マンション投資の利回り
先日、不動産会社から配信されたメールに区分マンション投資の情報が掲載されていました。スペックはこんな感じです(若干いじってますがほぼ同スペック)
- 販売価格 760万円
- 博多駅から徒歩6分
- 築17年/間取り1K
- 46,000円で賃貸中
- 利回り7.2%
- 修繕積立金8000円/月
この物件。投資としてアリでしょうか?ナシでしょうか?
まず毎月の収入が賃貸中なので46,000円ですが、ここから修繕積立金8000円と、管理会社に家賃集金など委託するなら、管理費が2,300円(5%)。毎月の手残りが35,700円で、利回りは5.6%になります。
これは「何もトラブルがなければ、毎月3万円入りますよ」という意味です。
もし入居者が退去すれば、リフォーム代に10万円くらいは掛かります。また不動産会社の賃貸募集の広告料が家賃1ヶ月〜2ヶ月分(5万円〜10万円)、住んでいる間に設備故障などあれば、そういった支出が発生してきます。
ここまで読んで察しの良い方なら分かりますが、不動産投資というのは経費や税金との戦いなのですよね。何もトラブルがなく、長期間住んでくれれば言うことはありませんが、実際はそんなことなどありえません。
これは760万円を全額キャッシュで購入した場合です。
ローンで区分マンションを購入すれば、ローン金利がかかりますので、区分投資で儲けることの難しさが、ここからも分かると思います。このあたりは以前の記事でも書きました。
(参考)不動産投資で区分マンションは失敗しやすい?メリット・デメリットまとめ
投資初心者は、小さな金額で買える区分マンションから始めよう!という不動産投資本がけっこうありますが、かなりリスキーだと思います。もちろん区分マンションがすべてダメな訳ではありません。
区分マンションでも10年くらい運営して、売却して出口を取れば、キャピタルゲインを得られます。しかし、キャッシュフローを増やしてサラリーマンリタイア(FIRE)したいという人には、不向きと言えるでしょう。
投資は自分のゴールを明確にして、そこに向かって走らないといけないということですね。
戸建て投資の利回り
私は、不動産投資をはじめるなら、戸建て投資からスタートするのをおすすめしています。
戸建て投資のメリットは以下です。
- ファミリー向けで入居年数が長い
- 供給数が少ないので競争力がある
- 田舎でも家賃が高く取れる
- 修繕積立金などがかからない
一方デメリットは、内覧時のチェックポイントが多い(屋根や床下など)、外壁塗装など大規模修繕が必要、リフォームコストが高い(クロス張替え面積など)が挙げられます。
しかしながら、区分マンションと違って、中古なら最低利回り13%以上など、高利回りで運営して一気にキャッシュ回収(インカムゲイン)を狙う投資です。
家賃も5万円〜7万円くらい取れる物件を購入するので、途中の修繕リスクも、家賃数ヶ月分くらいで対応すれば、売上に占める経費率が相対的に低くなります。
逆に、傾きのある物件を買ってしまったり、リフォームコストを見誤ったり、購入するエリア選定を間違えたりすれば、収益性が一気に落ちますので、戸建て投資が手放しで良いわけではありません。物件を見る選球眼が必要になるわけです。
(関連記事)戸建て不動産投資で最低限チェックすべき15のポイント
ダメ物件を買わないためには、知識の体得や、信頼できる人間に相談するなど、自己防衛が必要になります。
最後に
不動産投資で成否を分けるポイントは「利回り・収益性」です。
あとはどのような経費により手残りが減っていくのか、それを頭の中でしっかりイメージできて、正確に投資判断できる人が、良い投資家と言えるでしょう。
表面利回りだけに惑わされないたえには、日々の勉強と、実践で細かい経費と毎日のように向き合ってきた経験がないと、失敗しない投資はできても、成功する投資はできません。
『失敗しないことと、成功することには、雲泥の差がある』のです。
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