こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
千葉県で不動産投資(賃貸業)を10年ほどやっています。そこそこ長く賃貸経営していると千葉県内では、どこのエリアが良くて、どこのエリアは厳しそうか、という土地勘はなんとなくできてくるものです。
しかしながら、これから10年、20年先も賃貸業を続けていくとするなら、将来的にもずっと「勝ち続けるエリア」を見つけていかないといけません。
そこで今回、集計してみたのが千葉県の市町村別の転入者数・転出者数のデータです。これによりどのエリアが人の流入・流出が多いのかというのがよく分かります。
できるなら「流入超過」しているエリアを攻めたいですが、人口が増えているエリアが単純に投資マーケットとして良いとは限りません。そのあたりは後述したいと思います。
ではさっそくデータを見ていきましょう!
千葉県の市町村別の転入者数・転出者数について
千葉県も37市16町1村で、合計54市町村もあるため、ここでは人口増加が多い順に並べてみました。令和5年〜令和6年の1年間のデータになります。
黄色の行が、実際に「人口が増えている人数」です。1年間でどれだけ人が増えたかですね。
これを見るとそもそも人口規模が大きい、船橋市・松戸市・柏市がトップ3になっています。つづいて、千葉市中央区・市川市・流山市・八千代市の順番で人数が多いですね。
注意しなければいけないのは、人口増加が多ければ投資に向いているというわけではないということですね。そちらについて3つの観点から書いてみたいと思います。
まず1点目は、人口が増加しているのは人口規模が大きいだけということですね。例えば船橋市は、人口が1年間に3,885人増えていて人数では第1位ですが、船橋市は人口64万人で千葉県最大人口の市町村です。人口に対する「増加率」でいうと0.6%となっていて、これは他の市町村より劣ります。
次に2点目としては、人口増加エリアは土地値が高すぎるということですね。千葉県で人口が増えていることで有名なのは、流山市です。つくばエクスプレスが開通して、沿線人気が非常に高くなっており、中でも流山おおたかの森などは有名ですよね。
実際に流山おおたかの森の駅前はタワマンが立ち並びとても勢いを感じますが、流山おおたかの森が最寄りの収益アパートなどは楽待でも利回り3%くらいで売られていたりします。土地から新築する場合でも、土地の坪単価が100〜150万くらいしますから、収支の合うアパートを建てるのは困難です。
最後に3点目ですが、人口増加エリアは賃貸の需給バランスが悪いケースもあります。どういうことかというと、人口が増えている市町村は人気の街ですから、すでに沢山の賃貸物件が供給されているケースが多いです。需要に対して、供給が多すぎると、需給バランスが崩れて、思ったほど高い家賃を取れないエリアというのもあります。
以上3点より、人口が一口に増えていると言っても、その街で賃貸経営が成り立つかどうかは、また別の話ということですね。ではどのように狙い目の投資エリアを絞っていけば良いのでしょうか?
そこについて私なりの考えを次項で書いてみたいと思います。
不動産投資で狙い目のエリアを見つける方法
不動産投資で狙い目のエリアを見つける、というのは本当に骨が折れます。一般的に賃貸物件では駅チカ立地が一番人気があり、東京の山手線の内側などは大人気です。
そうでなくても地方エリアでもターミナル駅から徒歩10分圏内などは、なかなか割安な物件が見つかりませんから、そういう場所で利回りの良いアパートを探したり、割安に土地を取得してアパートを建築しようと思っても難しいでしょう。
そこで私が考える方法は、いくつかあるのですが主に以下の3つの視点は最重要かと思っています。
- 仲介さん(プロ)の意見を聞く
- ポータルサイトで家賃をチェックする
- 実際に自分で小さく投資してみる
1については、最低でも2〜3社は賃貸営業している仲介会社の営業マンの意見を聞くことが大事だと思います。最終的に商品を販売している現場の人の声というのは貴重です。このエリアは単身が多いのか、ファミリーが多いのか、駐車場は必須なのかなど聞くべきことは無数にあります。人気の間取りや設備などもヒアリングすべきでしょう。
2については、SUUMOなどポータルサイトのチェックですね。ポータルサイトは、見れば見るほどリアルな現実の情報がたくさん詰まっています。例えば、土地から新築アパートを建てるときに、1LDKで築10年、築20年、築30年とだんだん古くなるにつれてどれくらい募集家賃が落ちているかなどは、SUUMOを見ればだいたい相場感は分かります。特定の間取りの空室数が多すぎるようなら、その間取りで戦うと苦戦する可能性があるということですね。
最後は、実践に尽きます。私も土地から新築してガレージハウスを建てていますが、よく聞かれることで「なぜこのエリアに新築を建てようと思ったんですか?」というご質問が、お会いした方から毎回のように出てきます。
でも私はそのエリアでいきなり新築を建てたわけではないのですよね。その前に、同じエリアで小さな物件(築古戸建て)を買って賃貸に出した経験があります。その結果、何度もそのエリアに足を運ぶようになり、どこにどんなお店があるのか?どの場所だったら住むのに便利そうか?など定性的な情報をたくさん得ることができたのです。
やはり地方エリアで新築アパートを建築する場合、やはり将来的な賃貸需要というのは大きなリスク要因になります。新築のときには埋まるけど、築10年くらいでガクンと家賃が下がり、街も年を追うごとに寂れた感じになっていくようだと将来的な賃貸経営は厳しくなるでしょう。家賃が大きく下がるということは、売却額にもダイレクトに影響します。
弊ブログでも何度も言っていますが、不動産投資で重要になってくるのは「家賃が大きく下がらない物件」を持てるかどうかになります。新築して10年後に、新築時から3割も4割も家賃が落ちていくような物件だと、トータルではあまり儲からない可能性があります。できれば家賃下落は、10年で10%くらいにとどめたいものです。
逆に、築10年で1割、築20年でも2割落ちる程度なら、融資期間20年〜22年で組めば20年後にはほぼ借金は完済に近いのですから、耐えられる可能性が高いと考えています。だからポイントは木造新築は、よっぽど立地が良くないかぎり、融資期間を20年〜25年以内で組むのがおすすめで、田舎になればなるほど引っ張りすぎないほうがいいでしょう。
もちろん都心の場所が良いところなら、期間30年で融資を組んでも、あまり家賃は落ちないし、売るときにロスが無いため、インカムを得ながら高く売れるタイミングで処分して組み換えというのもアリです。もしくは、田舎でも家賃が落ちる前に築10年くらいでどんどん入れ替えるから問題ないという考えもあると思いますので、その考えを否定はしません。
このように私の場合には地方エリアで賃貸経営していますから、あまり大勝ちを狙わず、一番は最悪のケースを想定して、それでも利益が出そうなエリア(立地)を選択するようにしています。
ピカピカ立地じゃないけど、10年後20年後も大きく廃れなさそうな場所を選ぶようにしており、その前段には仲介営業さんにヒアリングしたり、自分もそのエリアで小さく投資しながら土地勘を研ぎ澄ましていく作業をしています。
もちろん今回ご紹介したデータがまったく無意味ということでもなく、そのエリアの社会動態がどうなっているのかという大きな流れと現実を掴んでおくことは大切だと思いますので、その中でデータを参照・活用いただければと思います。
そうでないと、まったく将来性のない場所に新築を建てるのは少しギャンブル的になりますからね。将来性があまりないエリアで人口もどんどん縮小傾向のエリアならば、新築ではなく、むしろ中古をうまくリフォームしてインカムで稼ぎ切るというほうが合理的だと思われます。
というわけで本日は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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