こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。現在、資産管理法人を立ち上げて、5期目になります。
個人名義で、耐用年数超えの物件ばかり買っていると、税金の負担感がそこまでないケースが多いです。
要因としては、減価償却費やリフォーム費など、経費が沢山あったからですね。
しかしながら、減価償却費が無くなる5年目以降は利益が出すぎて、徐々に税金が重くのしかかってくるようになったので、4年目に思い切って「法人化」を実施しました。
というわけで本記事では、法人を設立して良かったと思うこと7選について、筆者の経験からまとめてみたいと思います。
不動産投資における法人化のメリット→7つある!
賃貸業で法人化するメリットは、以下の7つが代表的です。
これは実際に、私が4年間法人経営してきて感じたメリットでもあります。
- 税金面(1)法人税率は個人より低い
- 税金面(2)経費の範囲が広い
- 税金面(3)総合課税であること
- 税金面(4)損失繰越が9年できる
- 融資期間におけるメリット
- 融資上限におけるメリット
- 事業継承におけるメリット
それぞれ簡潔に触れておきたいと思います。
税金面(1)法人税率は個人より低い
まず個人だと、所得税+住民税は最大55%(所得税率5〜45%+住民税10%)となっています。
個人でも所得900万円未満だと15〜33%程度になりますが、本業のサラリーマン年収に不動産所得が合算されると、そんな遠くない未来には900万円を超えてきますので、すぐに税率40%ゾーンに突入してくる点に注意ですね。
一方で、法人だと法人税が800万以下の部分には15%、800万円超の部分には23.2%です。そこに法人事業税と法人住民税が所得に応じて5%〜10%加算されてきますので、最終的には25%〜33%程度でこれ以上高くなることはありません。
一般的には、法人税率はだんだん減税されてきており、今後もその傾向が続くと言われています。
税金面(2)経費の範囲が広い
まず一番大きいのが、個人の場合自分に払った給与は経費になりませんが、法人の場合は役員報酬・賞与・退職金などがすべて経費として控除できます。
また法人は経費にできる範囲が広く、住居・交際費・出張手当・車両・生命保険代など経費にしやすい項目が多くなります。
税金面(3)総合課税であること
個人の場合は、不動産を売却したことで出た売却益に対して、保有5年超なら約20%、5年未満なら約39%の税率で、譲渡所得税がかかってきます。
これは個人の決算が赤字であっても、絶対に掛かってくるところがミソで、個人=分離課税というのは有名なことですね。
一方で、法人は総合課税ですから、売却による売却益が出る年に、一気に他の物件で大規模修繕したり、減価償却が大きな物件を買うと、利益と経費を相殺することができます。
したがって法人だと、売却における税率コントロールは非常に大きなポイントになってくるでしょう。
唯一、個人の方が売却でメリットがあるとしたら、長期譲渡なら税率20%というのが低めなのと、住宅ローンで購入したマイホームなどは、譲渡所得から3000万円控除が使える点は、知っておいて損はないでしょう。
ヤドカリ的にマイホームを買って売って利益を積み上げることをお考えの投資家さんにとっては、これはすごい有効になってくるでしょう。
税金面(4)損失繰越が9年できる
個人だと、青色申告していると欠損金の繰越は3年可能ですが、白色申告だとNGになります。
一方で、法人は損失繰越が9年できますので、大きな経費がかかった場合は、9年間に渡って、黒字に対して赤字をぶつけていける点は、こちらも節税につながります。
融資期間におけるメリット
個人名義で不動産投資をする場合、20代〜40代くらいの比較的年齢が若い時期であれば、特に問題ありません。
しかし50代〜60代ともなると、融資期間があまり取れない、もしくは融資自体をお断りされるケースがあります。
例えば、アパートローンで有名なオリックス銀行は、借入時の年齢条件は20歳〜60歳未満で、最終返済時の年齢が80歳未満になることが条件になっています。
(参考)【オリックス銀行】不動産投資ローンは年収500万以上で築古にもOK!
またスルガ銀行でも、借入時の年齢条件は20歳〜70歳未満で、最終返済時の年齢が85歳未満になることが条件になっています。
(参考)スルガ銀行のアパートローンを徹底解説!【金利2〜3%・築古可】
融資を使った不動産投資をするのであれば、遅くとも40代〜50代までにスタートしておくことが必要ですが、これが法人になると年齢を理由に融資をお断りされるケースは少なくなります。
基本的に、法人は個人とは別人格ですので、代表者が高齢であっても、後継者がいれば問題ありません。法人の場合は、従業員や役員に家族(年齢が若い人)を入れておくことで対策できるでしょう。
融資上限におけるメリット
個人のアパートローンで一番厄介なのは、融資額の限界があるということですね。
賃貸業のスタート時は、この個人向けアパートローンを使うケースが多くなると思いますので、融資上限に達した時点でそれ以上の借り入れを起こすことが不可能になります。
そこで次からはプロパー融資を狙っていくということになるのですが、個人名義でアパートローンの融資を多額に引いていると、金融機関はそれだけで追加融資に消極的になります。
またその時点で、債務超過になっている投資家さんも多いでしょう。その際に有効なのが、法人での追加購入ということになります。法人・個人でそれぞれバランス良く物件を買ったり、売ったりしつつ規模拡大を目指していくことになるでしょう。
事業継承におけるメリット
個人で不動産を所有していると、その人が亡くなった時には家族に相続されることになります。その際に問題には相続税と登録免許税が発生します。相続の場合には、取得税はかかりません。
それが資産管理法人にて不動産を所有している場合は、「社長(代表取締役・代表社員)の変更」をするだけですから、相続というのは発生しません。そのままスムーズに家族に権限移譲・事業継承ができる点でメリットがあります。
個人名義での不動産投資が有効なケースとは!?
個人名義での不動産投資にメリットがあるのは、以下の3つかなと思います。
- 居住用財産の3000万円控除が使える
- 個人向けアパートローンが使える
- お金が自由に使える
1については先ほど触れた、マイホームを売却した際の譲渡所得から3000万円を控除できる点ですね。低金利で住宅ローンを引いて、数年住んだ後に買ったときより高く売れた場合は、3000万円までの売却益に対しては税金がかからないので、大変お得ですよね。
2については、個人向けアパートローンが使えるという点ですね。法人名義での購入がNGの金融機関があって、例えば首都圏のアパートローンで有名な、徳島大正銀行、滋賀銀行、香川銀行などは、法人での購入が厳しい点があります。
最後に3について、これは個人名義の良さとして、やっぱり一番は、お金が自由に使えるということだと思います。法人だと役員報酬の変更が必要になるので、簡単に個人で預金を引き出したり使ったりはできません。
なお個人名義だと、本業のサラリーマン収入を赤字にして所得税還付を受けるという点もよく挙げられることがあります。
しかし、これは減価償却による赤字で、将来的にその物件を売って利益が出た場合にはそこに対して税金がかかってきますから税金の繰延に過ぎませんので、ここではあえてメリットとしては採り上げません。
あとがき:法人を活用して資産の最大化を図ろう!
法人化の7つのメリットをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
税金面・融資条件・事業継承など、さまざまなメリットをご理解いただけたのではないかと思いますが、どれも長期的な視点ではかなり大きなメリットだと思います。
一方で、サラリーマン与信による個人名義でのアパートローン活用は、不動産投資の初期段階では大変有効になってきます。
個人名義・法人名義、それぞれに活用のポイントがあることをご理解いただけたのであれば幸いです。
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