こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。千葉県で大家業をして7年目になります。
いつも土地を見つけては、新築アパートを建築するワタクシですが、ある日とても良さそうな土地を発見しました。
しかし、不動産会社からもらった販売図面(マイソク)には、「埋蔵文化財包蔵地」との記載がありました!
アパート建設には良い立地なのですが、なんせ「埋蔵文化財包蔵地」というコトバが気になってしょうがないですよね(笑)
コトバの響きからすると、その土地に文化財が埋まっている可能性があって、すぐに新築できないのではないのか?という心配が頭をよぎります。
というわけで今回は、埋蔵文化財包蔵地にアパート建築する際のリスクと対策について、わかりやすく解説していきます。
埋蔵文化財包蔵地とは
埋蔵文化財包蔵地とは、以下ですね。
埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地をいう(文化財保護法第93条第1項)。
石器・土器などの遺物が出土したり、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡が土中に埋もれている土地であって、そのことが地域社会で認識されている土地がこれに該当する。
上記のとおりですね。埋蔵文化財包蔵地は、全国でなんと!46万箇所もあるんですよね。
そして埋蔵文化財包蔵地にアパート等の建設をするには、工事着手の60日前までに「埋蔵文化財発掘届」を、自治体の文化財担当あてに届け出ることが必要になります。
書類が提出されると、市町村の教育委員会の調査員が現地に赴いて、①試掘→②確認調査の順で進んでいきます。この試掘・確認調査までは公費で実施しますので、開発事業者の負担はありません。
しかしながら①②を経て、本調査が必要になると、そこからの発掘費用は事業者側で負担ということになります。つまり、アパートを建てたいなら、施主である大家が負担しなければいけないのです。
あとは本調査(発掘作業)が必要な場合でも、営利を目的としない個人住宅(マイホーム建設)の場合は、公費負担になります。マイホームでの、土地購入の場合はご安心いただければと思います。
埋蔵文化財包蔵地にアパート建築する際の注意点【リスクと対策】
最悪のリスクは、大きな遺跡があって発掘調査に時間がかかる場合、すぐにアパートを新築できないというケースですね。
だいたいですが、発掘調査にかかる期間・工期は以下のとおりですね。
- 試掘:4週間程度
- 本調査:着工までに半年〜1年、実際の発掘調査に数日〜数ヶ月
上記のとおりです。
試掘にかかる期間について
まず「試掘」については、1ヶ月もあればだいたい終わるケースがほとんどです。敷地の1~2割の面積を調査し、掘削深度は通常 1 ~ 2 m程度になるので、比較的簡易的に調査していくようなイメージになります。
本調査にかかる期間について
一番問題になってくるのは「本調査」ですね。
試掘して、実際に遺構があるということになると、本調査が必要になります。本調査は、着工までに半年〜1年、実際の発掘にはそこから数ヶ月かかるケースがあります。
スムーズに行けば本調査も半年〜1年で終わりますが、長いと2年くらい関わるケースもあり、それについても事業者負担ともなると、かなり長期に渡って土地を寝かせたままになることもあります。
対策について
対策としては、更地の場合であれば試掘は公費ですので、一旦そこまでやってもらって本調査が必要ないなら土地に買い付けを入れるというのが、一番妥当な流れになるでしょう。
ただ注意点として、買おうとしている土地に古家が建っていると試掘自体ができません。実際買って、古家を解体しないと試掘はできませんので、その点は心得ておきましょうね。
土地がとても気に入ったので、古家が建っていても買うというのであれば、最大で1〜2年ほど調査に時間がかかることを覚悟で買わなければいけませんから、それを理由に指値(土地を安く買っておくこと)が唯一の対策になるでしょう。
アパート建築が急ぎでないなら、そういう交渉もアリかもしれませんね。
もちろん、実際に試掘してみて本調査が必要なければ、安く買えてラッキーになる可能性もあります。そのあたりよくよく考えて投資したいものですね。
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