こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。地方でアパート経営をして8年になります。
私が所有しているアパートの家賃は、3万円〜15万円まで幅広いのですが、今回は一番安い3万円以下で運営しているアパートについて、書いてみたいと思います。
結論、家賃3万円以下のアパートは、とても賃貸経営がしんどいです。
ぜひ皆さんの投資方針を考える上での、参考にしていただければ幸いです。
【実例】所有アパートのスペックについて
今回お伝えするのは、以下のスペックの所有アパートです。
- エリア:北関東の某市(人口20万人前後)
- 都市計画:市街化区域
- 間取り:1K×10世帯(BT別・居室10帖)
こちらのアパートは私が4棟目に買った物件で、2016年に購入しました。購入の経緯については以前の記事「禁断のカードローンを活用した築古アパート投資【利回り13.7%】」をご覧ください。
当時は私も長野に住んでいて県内に良いアパートがないなぁと思っていた時に見つけた物件でした。価格交渉で売主が満額買い付けした受け付けないという強気な姿勢でしたが、業者売りだったので仲介手数料無料だったので購入を決断しました。
その後も入退去があるたびにリフォームをやって、2年前に屋根外壁の大規模修繕が終わっています。
家賃3万円以下の築古アパートのリアルな収支
現在の家賃収入は月318,000円(満室時)で、ローン返済が月々157,000円となっています。つまり、家賃が1世帯あたり3万円程度しか取れていないということになりますね。
家賃はどこに消えていく?手取りは?
3万円の家賃の内訳は、以下のようなイメージになります。
- ローン返済:1.5万円
- 経費:0.5万円
手取り:1万円/世帯
けっきょく、10世帯あっても毎月の手取りは10万円程度です。しかもこれは満室の時ですから空室3部屋となると、収益はほぼゼロとなり、4世帯空きが出ると赤字に転落するのです。
実際は、同時に4部屋空室が出たことは一度もありませんが、同時期に3部屋の空室は過去2度ほどありました。また満室でも、大きな修繕(水漏れ等)が出ると家賃数カ月分が吹っ飛びます。
これが家賃3万円、ローン返済比率50%の築古アパート経営の現実だということですね。
いまは外壁塗装されて見た目はキレイですが、住んでいる人も高齢者・生活保護・単身男性ばかりで、退去時のお部屋はだいたい汚く、ほぼクロス・壁紙の全交換になります。
先日退去した部屋も、以下の写真のイメージです。
築30年超えともなると、クロスもCFも古めかしいので、入居期間が長い方が退去となると、リフォーム費用が1部屋あたり最低で20〜30万円程度にはなります。
DIYをあまりやらなくなった理由
こういうのをDIYして安く直す大家さんは、たくさんいらっしゃいますね。しかしながら、私はDIYは最小限にして、プロの職人さんに依頼するように、最近はこころがけています。
こうやって写真付きでリフォーム後の写真を送ってくださる職人さんはありがたいですね。
今年から原状回復は95%くらい外注するようにして、私は物件探し・銀行訪問・新築のプラン検討等に全エネルギーを集中するようにしています。 pic.twitter.com/HvCWopO76N
— ペリカン【不動産投資ブロガー】 (@Pelican0825) April 23, 2022
DIYを極力やめようと思った理由は、「大家さん」から「投資家」に転向する決意をしたからですね。
DIYをしている暇があったら、もっと事業拡大のために必要な物件探し・融資付け・新築企画のほうに時間を使いたいと考えています。DIYはあくまで手段であり、目的ではないということですね。
もちろんたまには気分転換にDIYをしたり、趣味として楽しむ程度にはやりますよ。でも、腰を痛めたり、何日間も物件に通ったりしてやることはもうないと思います。
土地値のないアパートの苦しさ
こんな家賃3万円のアパートですが、お土地様のパワー(土地値)があれば、救われることがあります。
例えば本アパートは3000万で購入したのですが、そのうち土地値が6〜7割(1800万〜2100万)でもあれば、元金返済とともにいずれ残債が土地値を下回り、売れば含み益をキャッシュ化できます。そのまま持ち続けても、どんどん決算書のBSがよくなっていきます。
しかしながら、私のアパートはローン完済しても土地値が1200万円程度です。土地値については、いつも実勢で見るようにしており、ウチノカチというサイトで過去の取引価格の中央値までわかります。
ただ「更地にすればいくらで売れる」という皮算用は、けっこう大変なのです。実際は、入居者を全戸退去させて解体更地にするので解体費も10世帯アパートなら200〜300万くらいみておかないといけません。
アパートを朽ちるまで所有し続けて、その後の活用(または売却による利益確定)まで考えるのは、途方も無い時間軸で考えないといけないので簡単ではないということですね。
そうなると、まだ収益アパートとして活用できる築30年台のうちに売却&利益確定したほうが、なにかと楽なのです。田舎のボロアパートをずっと経営して資産化を目指すというのは、かなりの忍耐を要すといえるでしょう。
あとがき
この記事のまとめると、家賃3万円以下のアパート経営は、あんまり儲からないぞ!ということです。
例外があるとすれば、以下の2つかなと思います。
- 土地値比率が、購入価格の7割以上ある場合
- 修繕後で利回り15%以上など高利回りの場合
つまり、お土地様のパワーが強く、ローン返済する意味がある場合ですね。もしくは、土地パワーが弱くても、修繕後の利回りで15%以上など、それなりの高利回りで運営できる場合です。
結論、この2つのどちらかしか築古アパート経営に、勝てる道はありません。
上記以外のアパートは、だましだまし薄利を得ながら運営することになり、私が経験した本記事のアパートみたいな展開になる可能性が高いです。ぜひとも皆さんには私を反面教師にしていただき、お気をつけいただきたいと思います。
今後は、私個人的には、修繕や退去に怯えながらやる賃貸経営ではなく、もっと違うやり方があるんじゃないか。もっとストレスの少ない賃貸経営の形があるんじゃないかと模索しています。
その一つの答えが、「土地から新築アパート投資」であり、今はそこに全力で取り組んでいます。まあ、こちらはこちらで融資付けや頭金の問題など、別の課題があるのですけども。
ただ人生は一度きりですからね。お金を稼ぐのも大切ですが、自分が楽しいかどうかが一番大切です。
もし自分の賃貸経営が、思っていたのとなんとなく違うなぁと感じているなら、それは方向性を見直す良いタイミングかもしれませんよ。
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