新築ガレージハウス投資の収益性・融資の組み方・賃貸ニーズを徹底解説【完結編】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

土地から新築アパート体験記の「完結編」です。前回の記事のつづきで、第16話になります。

 

さて、3月に竣工&引き渡しを終えた、私の新築アパートですが、このたび無事満室となりました!ということで、本記事では「新築ガレージハウスの収益性・融資・賃貸ニーズ」の総集編をお送りします。

 

独断と偏見だらけの個人的な体験記になりますが、これから新築アパート・新築ガレージハウス投資をされる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

新築ガレージハウスのスペックと収益性

今回、建築した新築ガレージハウスについて、まずは概要をお伝えします。

 

物件スペック

物件スペックは、以下のとおりです。

 

新築ガレージハウスの外観

  • 立地:千葉の地方都市
  • 建物タイプ:長屋(2LDK×2世帯)
  • 土地面積:171.45㎡(51.8坪)
  • 建物:167.26㎡(50.6坪)
  • 総工費:約3628万円(土地+建物+諸費用)
  • インフラ:都市ガス・公営水道・公共下水

 

エリアは千葉の都会でもない、田舎でもない立地です。約50坪の土地を1000万以下で、運良く仕入れることができました。

 

おそらく同エリアで同規模の土地を取得しようとすると、今の市況だと1000万以下は難しく、おそらく最低でも1200万〜1500万程度かと思います。

 

この土地仕入れ値の安さが、今回の最大の勝因になりますが、再現性があるか?と言われると疑問符なので、そこが土地から新築アパート投資の難しさということになるでしょう。

 

今回と同じような土地を、同等価格で見つけろと言われてもかなり難しいので、つくづく不動産は運とご縁だなと思います。

 

言ってみれば、建物には再現性があるのですが、土地には再現性がないということです。

 

そうなると、今後はもっと田舎エリアで安い土地を探して新築アパートを建てる、という選択肢も出てきます。あまり土地価格が高騰していないエリアで土地選定し、高利回りかつ差別化されたアパートを建てるスキームですね。

 

ただ田舎エリアの場合、将来の出口や資産性のところでは今一つですので、リスクが高い投資にはなります。

 

とくに、田舎で1億前後の木造新築アパートなどは、絶対にやめたほうがいいと思っています。地元の名士や資産家が、現金でポンっと買ってくれるような金額帯(感覚でいうと5000万以下くらい?)であれば、幾ばくかリスクは低減されるかもしれませんけども。

収益性について

今回の総工費ですが、土地+建物+諸費用(登記費用・火災保険料・銀行事務手数料など)を全て含めて、3628万円でした。40㎡以上の間取りのため、不動産取得税はゼロになったことは大きかったですね。

 

そして収入面ですが、2世帯で合計30万5000円/月の家賃収入となりました。年間家賃収入は366万円ということになりますから表面利回りだと、10.08%で着地ということですね。家賃収入が月30万5000円で、返済が月11万円くらいなので、CFだとこれ1棟で月20万円弱になります。

 

1世帯あたりの家賃が15万円取れたことは大きかったです。これは間取りを2LDKで企画したからだと思われます。よくある1K〜1LDKタイプのガレージハウスでは難しかったでしょう。あと内装グレードは、分譲住宅仕様でかなり高いものにしています。

 

新築アパートの内装

 

これだけ見ると良い結果にも見えますが、問題点としては自己資金比率が34%程度(金額にして1228万円)と、大きなキャッシュアウトだったことです。CCRにすると、14.5%とまあ普通です(笑)。

 

CCRについては以前の記事「不動産投資で大切な2つの判断基準とは?【実質利回り・CCRを解説】」でも解説しておりますが、賃貸経営ではかなり大切な指標ですね。

 

CCRは、ベテラン大家さんであれば、重視している方も多い指標でしょう。

 

一方で、もしフルローンで自己資金ゼロだと、CCRは無限大になってしまいます。ですから、単純にCCRが高い=優秀な投資ということにはなりませんので、その点は注意が必要です。

 

あくまで物件が良いこと(長期的に稼働率が高いとか、売却額が下がらない等)を一番重視すべきであり、その次にCCRを見る癖を付けないと、数字のカラクリに騙されますね。

融資ハードルと乗り越え方

銀行融資

 

つづいて新築ガレージハウスの融資面について、触れておきたいと思います。この投資の一番の難所は、まさに「融資を組める金融機関が限定されてくる」ということだと思います。

 

理由としては、ガレージハウスだと2世帯〜5世帯程度が限界になってくるため、1世帯あたりの入居率インパクトが大きい投資だからです。そのため、多くの金融機関では収支評価でストレスを掛けると、かなり厳しい評価になります。

 

とりわけ私のような2世帯のガレージハウス計画だと、それだけで門前払いされたケースもありました。

 

私が金融機関に事業計画をプレゼンした際にも「ペリカンさん、最低でも4世帯以上のアパートを持ち込んでくださいね!」と言われたことは、一度や二度ではありません。。。(汗)

 

そこで私は2棟目以降のガレージハウスでは、如何に融資を効率よく獲得していくかに集中したところ、ガンガン融資が出るようになり、2024年現在では合計5棟のガレージハウス投資の融資承認をいただくことができました。

 

こちらについて実際どのように融資承認を得ているのか?について詳細を有料noteにも書いてますので、ご興味のある方はぜひ購入してご購読いただくと、私の融資獲得方法についてご理解いただけるかと思います。

(note記事)新築ガレージハウスの融資額・担保評価・自己資金のリアル&融資承認を得るために工夫している3つのこと!

 

その後の私の融資開拓チャレンジについては、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

 

ガレージハウスの賃貸ニーズと投資エリアの選び方

ここでは賃貸募集をする中で、今回感じたことを書きたいと思います。

 

ガレージハウス賃貸のニーズとは?

ガレージハウスに対する、お客様ニーズは以下のようなものでした。これは今回募集して分かったことでもあります。

 

  • 会社経営されている方などが住むケースが多い(車も高級車を所有)
  • 年齢は30代以上〜60代くらいまで幅広い(20代は少ない)
  • 開業、法人登記などSOHO的なニーズがある
  • ガレージサイズをかなり気にする(大型車を停めたいニーズ)
  • ペット需要がそれなりにある
  • 1LDKだと狭いという引っ越し理由があった
  • お金に余裕がある単身者が多い(カップルや夫婦は少なかった)
  • 車&バイクの両方持ちが結構多い
  • 収納や倉庫など荷物を入れるスペースを重視する

 

実際、ペリカンの新築ガレージハウスにも、募集した2ヶ月間で10件の内見者の方がいらっしゃいました。

 

そのうち5名からお申し込み希望がありましたが、1件はお申し込みキャンセル、2件はこちらからお断りしました。お断りした理由は、ペット同伴だった方と、自宅でパーソナルジム開業希望の方で、受け入れが難しい条件だったためです。

 

入居予定の2件の方は、どちらも会社経営されている方です。お二人とも、いまは1LDKに住んでおり手狭になったことと、高級車に乗っていらして、野ざらしで駐車したくない、という理由のようです。

 

投資エリアの選び方

この1年間、私は全国のガレージハウス賃貸を、誰よりもたくさん見て、研究してきました。おそらく100件以上の物件を見て、どんな物件がどんな立地で、どれくらいの賃料を取れているか分析してきたのです。

 

その結果感じたことは、ちょっとエリアを外す(ミスる)と、賃料がガクッと下がるという点です。

 

私が見た中では、田舎の1K〜1LDKガレージハウスだと、家賃が9万円台〜10万円前半になっていたりました。2021年以降のウッドショック後の建築費だと、その水準の家賃ではかなり安く土地を仕入れても、収支が成り立たないと思われます。

 

田舎に行けばいくらでも安い土地はあります。でも、そんな辺鄙な場所に大きなガレージハウスを建てて、将来誰が買ってくれるのか?という疑問があります。

 

ですから、基本的には新築アパートを建てるなら、サラリーマン向けアパートローンで融資が付くエリアに建てて、できるだけ多くの方に買って頂ける場所を選ぶことが、出口を取る上では賢明だろう、という判断をしています。

 

なので立地が良い場所、というのは私にとっては絶対条件でした。もちろん駅近とか、そういう単純なものではありません(そもそも車所有世帯向けの物件ですからね)。

 

立地選定については、物件見学ツアーにご参加頂いた方には詳しくお伝えしましたね。今後もツアーは開催していきますので、ご参加希望の方はぜひペリカンの公式LINEにご登録しておいてくださいね。

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立地が良いからこそ、外観や内装グレードにお金を沢山かけて、賃料のアッパーを狙っていく戦略が成り立つと考えています。

 

ただし、いまは土地もかなり高騰しており、良い場所を安く買いづらい状況です。また、ウッドショック+円安で建築費(建材・住設など)がものすごく値上げしているので、今後はどうしようかなと思案しているところです(笑)

 

現実的には、世帯数を多くしつつ、賃料を取れる立地で勝負していくのが収支確保には必須でしょう。その上で、工務店さんとも、長期的に低コストでの建築請負をしてもらえるよう、両社で話し合いをし始めたところです。

 

ということで以上、土地から新築ガレージハウス投資「完結編」でした。これで全16話が終わりとなります。最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました!

 

以下、関連記事です。

 

▼不動産投資の「種銭」を作った方法です。コロナ融資、運転資金名目などをご紹介しています。

 

▼年収別のアパートローンのご紹介です。自分が使える融資制度を把握しておきましょう。

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