こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。
格差拡大といえば、最近ではトマ・ピケティが「21世紀の資本」という本で言及したことで有名です。同著は、累計100万超の世界的なベストセラーになりました。
改めてピケティの理論って何なの?という人たちもいると思いますので、今回は分かりやすく解説します。また日本でお金持ちになる現実的な方法についても触れてみます。
トマ・ピケティってどんな人?
ピケティ氏は、フランス人ですが、パリの高等師範学校を卒業し、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学びました。
22歳の時に書いた「富の再分配についての理論についての考察」という博士論文は、なんと!翌年のフランス経済学会で最優秀論文賞を与えられたのです。彼は当時23歳でしたから、かなり若くして注目を集めていた学者さんです。
自身がフランス社会党に近い思想のため、経済的不平等について歴史的な比較を元に研究しており、実データを活用した研究は非常に高い評価を得ています。
2006年にパリ経済学校という大学を設立した際は中心人物として活躍し、現在も同校の教授として仕事をしています。
書籍「21世紀の資本」の趣旨とは?
大ベストセラーになったこの本はページ数が600ページ以上もあり、めちゃめちゃ分厚い本なのですが、書いてあることはシンプルです。
- 資本収益率は経済成長率を上回る(r>g)
- これにより世界的な格差が進んでいく
- 是正のために富裕税を世界的に導入すべき
以上の3つですね。
r>gという公式はそんなに難しくありません。
- r (リターン)=資本収益率を表します
- g (グロース)=経済成長率を表します
そして
- 「 r 」=株や不動産など資産運用の利益
- 「 g 」=労働して得られる利益
ということを表しています。
したがって、「r>g」というのは労働するより、株や不動産を所有している資産家の方が儲けられるので、資産家と労働者の格差はどんどん広がっていくということを意味します。
つまりお金持ちはどんどんお金持ちになり、貧乏人は貧乏のまま抜け出すのが困難ということですね。ちなみに、、、、
- r(株や不動産)から得られる利益は4〜5%
- g(労働)から得られる所得の伸び率は1〜1.5%
と言われています。
なぜピケティは有名になった?
この「労働より資産運用の方が儲かる」という理論は、ずっと前から言われていたことで、目新しい理論ではありませんでした。
では、なぜピケティがこれほど有名になったのか?それはこの理論の裏付けを過去200年以上のデータから実証したということが大きな功績とされています。
ピケティは、各国に調査員を派遣して、フランス革命頃から200年以上にもおよぶ、膨大な1次情報を集めて、数値的な根拠で裏付けたのです。
労働より資産運用だよね!という観念論しか無かった世界に、数値で証明したということに価値があります。想像するだけで、すごい労力ですよね。
ピケティの提言と世間の批判
こうしたグローバルに格差が拡大している中、ピケティは資産税(富裕層への累進課税)の導入を提言しました。
簡単に言うとお金持ちからたくさん税金取りましょう!そうすれば格差が少なくなります!ということですが、これは全世界同時に実行するのは難しいということで批判されました。
もし一部の国だけで資産税を導入すると、その国から富裕層が流出して、税金の安い国に移っていくだけで、格差の是正にはなりません。
このように実効性についてまだ議論の余地があるようですが、格差の存在が認められたことで、世界的に議論が高まったという点では、大きな意味があったと言われています。
世界の大富豪のトップ8とは?
ちなみに世界の大富豪上位8人って気になりませんか?
私も気になったので調べてみましたが、実名公開されています。
- ビル・ゲイツ:マイクロソフト創業者
- アマンシオ・オルテガ:アパレルメーカーZARA創業者
- ウォーレン・バフェット:投資会社バークシャー・ハサウェイ創業者
- カルロス・スリム:メキシコの大手通信業テルメックス経営者
- ジェフ・ベゾス:アマゾン創業者
- マーク・ザッカーバーグ:FaceBook創業者
- ラリー・エリソン:オラクル創業者
- マイケル・ブルームバーグ:通信社ブルームバーグ創業者
この方々は、最低でも4兆円以上の資産があり、一番多いのビル・ゲイツ氏に至っては8兆円くらいの資産を所有していると言われています。すごいですね〜。
日本は格差社会か?
「世界的には格差社会が存在する」と言っても、その内実は各国で違います。
例えば、ヨーロッパでは貴族社会なので、ずっとお金持ちは”世襲”が多いと言われています。つまり相続富豪が多いということです。
一方、アメリカでは投資利益率が高いことから、実業家による富豪が多い社会になっています。先ほどのランキングでも、トップは企業の創業者ばかりです。
最後に日本ですが、日本は貴族もいないし、大地主も少ないです。反面、非正規社員の数が増えて社会問題になっていたり、女性の雇用環境が整備されていないことで、低所得者が多いことが国の問題になっています。
ということです。老後破産、下流老人のリスクについては以前の記事でも書きましたね。低収入で貯金も資産もつくれないひとは、今後は厳しい時代がやってきます。
関連:老後破産しないための貯蓄とはどれくらいなのか?計算してみた
日本でお金持ちになるには?
低所得で悩んでいる人は、国に期待するのではなく、自分で稼げるようになるようことが一番です。
ピケティ理論から考えると、資産(株や不動産)を購入して運用するのが、資産家になる道とは言え、現在日本はアベノミクスにより、不動産や株のバブルで経済がかなり上がりきった状態になっています。
これだけ株価も不動産価格も上がれば、ここからさらなる飛躍的な成長は期待できません。2020年のオリンピック後は鈍化や下落もあるかもしれませんね。
そういう意味で、これから日本でお金持ちを目指すには、市場全体では良いニュースは少ないわけですから、単純に資産(株・不動産)を購入するのではなく、選択と集中するしかありません。
可能性の高そうな資産運用の戦略は
- 日本で儲かる個別株、個別不動産を探す
- 日本以外で投資対象を探す(新興国・米国株や不動産)
つまり日本市場全体は上がらないので個別銘柄を探す方法を取るか、国外などポテンシャルのある市場を開拓するかのどちらかしかありません。
また資産運用以外でオススメは以下です。
- 給与以外の副収入(ネット収入等)
上記をを早めに取り組んでサラリーマン給与以外の収益源を作っておけば、低収入でも補填ができるので、お金に困ることは少なくなります。
国の制度や他の誰かに助けてもらうという考え方ではなく、自分にスキルと知識を付けておくことが重要でしょう。
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